学習障害
学習障害(LD)という用語は、1960年代になって、学習障害の重度障害から軽度障害に関心が向けられたアメリカを中心に広く使われはじめました。学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、 読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定ものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものです。Learning Disabilitiesは、日本では一般に学習障害と訳されています。最近は、「学習障害」よりは頭文字をとった「LD」を使うことが多くなって来ています。
学習障害(LD)は男子に多く、女子の3〜4倍、全体の5%(20人に1人)程度いると言われています。こうした性差は、育った環境などの要因では説明できないので、その背景に発達障害としての生物学的な要因があるのではないかと言われています。また同時に、ADHD(注意欠陥多動性障害)を併せてもつ子も半数以上いると言われます。
これらの症状は、視覚認知や聴覚認知などの弱さが関係したり、脳内での過去の記憶を上手く処理することができず、概念形成を上手くできないことが原因となっていると言われ、養育環境やしつけが直接的な原因ではありません。
学習障害は、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されますが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではないです。1999年7月に、文部省・協力者会議(「学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議」)が「学習障害児に対する指導について」の中で示した学習障害の定義であり、現在日本では唯一の公式の定義です。つまり、知的障害には該当せず(IQ70ないし75以上)、全般的な知的面での遅れはないものの、1つないし2つ以上の特定の分野において特異な困難を持っている障害です。
また、中核症状ではないとの考え方で、定義からははずれたものの、学習障害はこの他に下記の様な困難を併せ持つことが多いとされています。
学習障害(LD)は知的発達の面ではあまり遅れていないのが普通で、「読み取ることが苦手」「聞き取ることが苦手」「運動が苦手」「不器用」など、ある特定の分野だけ落ち込みが目立つのが特徴です。これまでの障害児観からすると軽度であり、そのハンディキャップが外見的にわかりにくい障害なので、乳幼児期の早期の段階にこの障害の特徴的な部分がみられる場合もありますが、小学校へ入学してあるいは中学校へ上がってから障害に気付かれるケースも少なくありません。
学習障害は症候群であり、個々の学習障害児たちが抱える困難も多様です。例えば、聞いて理解することはできるのに、教科書や黒板の字を読んで理解することが困難な読字障害。コミュニケーションや集団行動がうまく取れない社会性の困難などがあります。障害は中枢神経に何らかの機能障害があると推定されています。医学でははっきりと解明できないです。学習障害は、教育的概念用語として定着しつつあるが、決して学齢期だけの問題ではなく、生涯何らかの困難を伴うものとされています。
学習障害の直接の原因は、個人に内在するものであり、中枢神経系の何らかの機能障害によるものと推定されます。様々な感覚器官を通して入ってくる情報を受け止め、整理し、関係づけ、表出する過程のいずれかに十分機能しないところがあるものと考えられます。中枢神経系のどの部分にどのような機能障害があるかについては、まだ医学的に十分には明らかにされていないです。
学習障害は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの他の障害、あるいは児童生徒の生育の過程や現在の環境における様々な困難といった外的・環境的な要因による学習上の困難とは異ないます、教科に対する学習意欲の欠如や好き嫌いによるものでもないです。
言語障害については、器質的又は機能的な構音障害や吃音等話し言葉のリズムの障害そのものは、学習障害の直接の原因となるものではないが、話す、聞く等言語機能の基礎的能力に発達の遅れがあるという状態については、学習障害でも同様に見られることがあります。
これらの特徴は、いくつか重複する子もいれば、該当しないものがある場合もあります。
一次性感覚統合障害:「感覚統合に問題がある」とは、入力は一般的には誰でも同じあるが、出力が一般と違う、または、ことばや運動がおかしい場合を指します。
二次性感覚統合障害:機能の障害においては、例えば、目が見えない、耳が聞こえない、また脳性麻痺のように身体に麻痺がある場合は入力の時点で、他とは異なっている。ということは、出力がおかしくても仕方がないです。二次性感覚統合障害は、機能が悪いために二次的に感覚統合の障害を起こしています。しかし、一次性感覚統合障害は、どこが悪いのかわからないとされます。
感覚統合とは、感覚入力をうまく利用するために組織化、まとめる過程です。利用するということは、自分の身体やその周りの環境を感じ取ることであったり、適応反応であったり、学習過程であったり、あるいはいくつかの神経機能の発達ということです。統合を通して、人が周りの環境と効果的な相互関係がとれ、適切で満足な経験ができるように、神経系のシステムのいろいろな部分が一緒に協力して働くようになります。たとえば、「りんご」という物体を見ている人を挙げると、りんごからは甘いにおいがしたり、赤い色だったり、つるつるしていたり、といういろいろな感覚刺激(入力)が出ている。それらは脳の中にはいって,過去に「りんご」という言葉を知ったこととか、食べた経験など一緒に出てくるのが「りんご」という言葉や食べるという運動ということになります。
言語習得に関しては、特に一連の感覚統合を必要としている。過程として以下の1〜4ステップを踏むとされます。
書かれている文字の形を視覚的に認知、弁別する力が必要であり、その形と聴覚的に認知、弁別した音(読み方)とを結びつけ、その事を記憶し、必要に応じて想起します。
文字のつながりの視覚、聴覚認知をする。字の並びを追いかける。
まとまりと認識した単語への意味づけを行う。
意味づけした単語のつながりを文として理解をする。
文のつながりの理解と記憶の力が必要な文章理解をする。
学習障害においては読みのおくれは、ひらがなの覚えが遅く、一字一字の拾い読みや間違い・省略などが多いなどから気づかれる。書き方のおくれなどでは、ひらがなを裏返しに書き(いわゆる鏡像文字)、漢字の書き方をいつまでも間違って、なかなか覚えられないなどが顕著です。このことは、視覚的にも聴覚的にも文字や意味を結びつけ認識することが困難であることが推測されます。
学習障害における、このような学習の遅れが十分に理解されず、両親や教師の叱責、友達のからかいやいじめの的になりやすいため、子どもがますます学習の意欲を無くし、あるいは無用の劣等感に苦しみ、時には不登校や暴力行為などを起こすことがあります。
学習障害の子どもには、しばしば同時に、多動や注意集中困難、衝動的言語などが見られます。それには学習障害を起こす脳の機能障害が同時にこれらの障害を伴うこともあり、学習場面での失敗による叱責や自信喪失、いらだちなどのため、感情が不安定になって、同じような状態を起こしている場合もあります。
上述のとおり、一次性感覚統合障害であるということや医学的にも明確な原因が分からない点に問題があります。また、これまで、さまざまな発達障害と一緒にカテゴライズされ、注意欠陥や多動など二次性の症状や不適応を起こしているケースもあり、分かりにくくさせているのも大きい原因となっています。
学習障害児の多くは通常の学級に在籍していることが多いです。これらの児童生徒に対する指導は、具体的には次のような方法が考えられますが、学習障害児の指導を担任のみに委ねるのではなく、学校全体で取り組むことが重要です。基本的には、全ての教員がこうした児童生徒の特徴を理解し、その指導方法を実践できるようにすることが求められます。
教材の種類とその示し方、板書の仕方、ノートの取り方の指導などの工夫が大切であること。 読み書き計算と強い関係のある、文字、記号、図形の認知等に配慮した指導や手指の巧緻性を高める指導も有用であること。「書くこと」や「計算すること」が特別に困難な場合には、ワープロやコンピュータあるいは電卓など本人が取り組みやすい機器等の併用が効果的であることが報告されています。
学校や家庭の中でLD(学習障害)の子は、特定の分野の落ち込み以外に見た目は普通の子と変わらないため、そのハンディキャップを被っている状態が、保護者にも教師にも把握しにくいため適切な対応が遅れます。さらに「なぜこんな当たり前のことができないの?」「なぜこんな簡単なことがわからないの?」「やる気がなくてふざけているのでは?」と学習面の習得の遅さを本人の努力不足と怒られたり、無理を強いられたりしてしまうケースが多くみられます。また、その保護者は「家庭のしつけが悪いのでは?」と第3者からしつけや養育の仕方のせいにされるため育児に悩んだり、保護者間の中で孤立したり、場合によっては児童虐待につながることケースもあります。
また思春期の困難さは普通の子以上であり、周囲の理解不足や対応の悪さはあらたに二次的障害(学習意欲の低下や欲求不満、無気力や不登校、反社会的な行動など)を引き起こすことも少なくありません。
言語障害については、器質的又は機能的な構音障害や吃音等の話し言葉のリズムの障害そのものは、学習障害の直接の原因となるものではないが、話す、聞く等言語機能の基礎的能力に発達の遅れがあるという状態については、学習障害でも同様に見られることがあることに留意する必要があります。
学習障害(LD)の子の進学や就職、成人後についても個人差が大きく、その子にあった進路の選択と、これに必要なスキルを身に付けさせることも大切です。
具体的な指導や対応の要点については、最終目標を社会的自立に向け、別表に示すような取り組みが必要ですが、ひとりひとりの子の状態はそれぞれ異なるため、その子の必要とする指導をその子にあったやり方で行わなくてはあまり効果がありません。
そのための第一ステップとして、専門家による心理検査やカウンセリングなどを受け、子どもの実体を正確に把握することは重要です。これらの結果をもとにどういった指導をしていくのか、専門家と保護者と教師の連携をとりながら取り組んでいくことが可能となるのです。
また、指導にあたる保護者や教師も、養育のしにくさ指導のしにくさで大変なストレスを感じたり、悩みを多く抱えています。子どもの療育的指導を安定して継続するためには、保護者自身や指導にあたる教師の精神的な安定は必要不可欠です。
こういった悩みを共有したり、地域の医療機関の情報などの情報交換をする場として、各地に親の会などが多く作られています。
学習障害(LD)の子どもにもたくさんの可能性があります。子どもの可能性の芽を伸ばしていくために、保護者自身が発達障害に対する正しい知識を持ち、子どもの様子を冷静に観察し、早期発見・早期療育につなげてやることが大切です。アメリカ・ハリウッドの世界的映画スター、トム・クルーズは、bとd、pとqの区別がつかず、また行をとばすなどして教科書がうまく読めなかったため、高校まで学習障害(LD)のための学級に入って努力を続け、現在セリフを覚える際には、ラジカセなどの道具で音を聞いて覚えるということで有名です。学習障害(LD)は治療できる症候群ですから、希望を持って、治療を受けましょう。
学習障害 鍼灸治療症例 :学習障害(LD)の子ども54名、取穴:唖門、百会、承霊、懸顱、後頂、太陽、風池、人中、神庭、印堂、大椎。電気針。
学習障害 鍼灸臨床経験 :学習障害(LD)の子どもを数多く治療してきまして、薬や他の治療方法より、学習障害症状の改善、解除には、鍼の効果がすばらしいです。
中枢神経系の感覚統合機能などを改善すると考えられます。
学習障害(LD)の子ども54名、完治したのは34名、有効率81%。