重症筋無力症
重症筋無力症 (MG) とは、末梢神経と筋肉をつなげる神経筋接合部の病気です。
重症筋無力症は、狭義には神経伝達物質であるアセチルコリンの筋肉側における受け皿であるニコチン性アセチルコリン受容体に抗アセチルコリン受容体抗体が結合してアセチルコリンによる神経・筋伝達を阻害するために筋肉の易疲労性や脱力が起こる自己免疫疾患です。 広義にはMusk抗体由来症例や原因不明の類似症例等も重症筋無力症に含める場合もあります。
重症筋無力症は全身の骨格筋とその運動を支配する神経との接合部に異常が生ずるため、運動をくり返すと筋力低下や脱力状態をきたし、休息すると筋力が回復するという特徴のある病気で、自己免疫疾患の1つと考えられています。また、胸腺腫を合併することがあります(約24%)。しかし、重症筋無力症は遺伝することはありません。
重症筋無力症の場合、眼瞼下垂や複視などの症状が最初に発生することが多く、嚥下困難、構音障害、四肢の脱力など筋力の低下がみられます。休息により回復するのが特徴です。
正常の神経筋接合部では神経の刺激により神経末端からアセチルコリンが放出され、筋肉の膜にあるアセチルコリン受容体に結合し、アセチルコリン受容体のチャンネルが開いて刺激が伝わります。アセチルコリンはコリンエステラーゼにより急速に分解されてなくなります。重症筋無力症の人の筋肉が弱くなるのは、体の中に抗アセチルコリンリセプター抗体という抗体ができ、これが筋肉の膜のアセチルコリンリセプターに結合するためです。アセチルコリンリセプターは、神経からの刺激を筋肉の細胞に伝える役割をしているので、重症筋無力症の人は神経からの刺激が伝わりにくくなっているのです。
北京中医康針灸院の重症筋無力症の治療目的は、重症筋無力症の回復程度を高めることと重症筋無力症が完治するまでの時間の短縮することです。
多くの西洋医学治療で回復できない重症筋無力症患者さんの期待に応えるため、当院が25年間、重症筋無力症の治療に力を入れて、臨床経験を重ねた結果、独自な電気ハリを考案いたしました。そして良い成果を上げています。1998年11月1日より2008年11月1日までの10年間に北京中医康鍼灸院に来院された重症筋無力症患者さん100名を集計したところ:脱力、眼瞼下垂や複視などの症状が戻り、完治したのは32名でした。
重症筋無力症の原因が多様なため、当院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気ハリで、最大限の効果を引き出しています。重症筋無力症の回復は患者さんの生活の質を向上させるのに役に立っています。
もう一つ注目すべきところは、針灸治療中の重症筋無力症患者の多くは症状が進行しませんでした。針灸治療は進行抑制にも効果があることが分かりました。
重症筋無力症は筋力低下の現れる範囲によって分類する。
重症筋無力症のおかされる筋肉により次のような症状が現れます。
重症筋無力症の筋力低下が主症状です。外眼筋の筋力低下による複視や眼瞼下垂(高頻度)・構音障害・嚥下困難等頭部から始まることが多いです。85%の重症筋無力症患者に、四肢の筋力低下が近位筋優位に起こり、歩行障害をはじめとした各種運動障害の原因となります。様々な条件が重なりクリーゼが起こりますと、球麻痺や呼吸筋の筋力低下による呼吸停止が起こる場合もあります。 重症筋無力症の筋力低下は夕方ほど著明になり、睡眠で軽快する日内変動、日によって重さの異なる日差変動、筋肉を使うほど脱力症状が重くなる易過労性などが特徴です。 重症筋無力症は筋萎縮を伴うこともある。錐体路症状・知覚症状は伴わないです。 重症筋無力症の発症の初期では、増悪と寛解を繰り返します。完全寛解はまれです。
1.テンシロン・テスト 2.誘発筋電図検査 3.血液検査 80%の患者の血清から、抗アセチルコリンレセプター抗体が検出される。全身型重症筋無力症における抗アセチルコリンレセプター抗体の特異度は98%と言う高い数値であるので、抗アセチルコリンレセプター陽性かつ臨床的に全身型である場合には診断的価値が極めて高い。ただし筋無力症状が眼筋のみに限局する場合は、陽性率は50%に過ぎない。抗体価は重症度を反映しないが、陽性なら同一患者ではその抗体価は病状の重さを表すことが多い。
重症筋無力症の診断は次のようにして行ないます。 1.筋肉が疲れやすく、休むと回復する 2.筋電図に特徴的な所見がある(waningウェーニング―何回も繰り返し刺激すると反応が弱くなる) 3.血清中に抗アセチルコリン受容体抗体がある 4.テンシロンなどの抗コリンエステラーゼ剤が効く 抗アセチルコリン受容体抗体はこの病気に特異的で、正常人ではほとんど検出されません(0.2pmole/ml以下)。この抗体があれば重症筋無力症であると考えられます。陽性の場合もその値はひとけたから1000を越える人までさまざまです。1000の人が8の人より重症とは限りません。しかし、普段20の人が50になるとかなり症状は悪化し、5ぐらいに下がると楽になることが多いです。この抗体が陰性で、典型的な重症筋無力症の症状を持つ人も10-15%あります。しかし、この抗体が陰性であれば、他の神経疾患を注意して除外しなければなりません。
重症筋無力症で治療中にとくに注意しなければならないのは、クリーゼ(突然起こる呼吸困難)の発生です。クリーゼは、抗コリンエステラーゼ剤が少なすぎる場合やまた逆に多すぎる時にも発生します。かぜなどの感染症、精神的なストレス、手術、妊娠などを契機として生じます。クリーゼ時には呼吸管理が必要となることが多いため、緊急に入院する必要があります。
1. マイテラーゼ、メスチノン、ウブレチド、などの抗コリンエステラーゼ剤 2. プレドニンなどのステロイド(副腎皮質ホルモン剤) 3.胸腺摘出術 4.血漿交換 5.プログラフ、サイクロスポリン、アザチオプリンなどの免疫抑制剤 6.大量免疫グロブリン療法
重症筋無力症鍼灸治療症例 :重症筋無力症患者100名、取穴:百会、前頂、懸顱、後頂に頭皮針。他の取穴:大椎、肩髃(ケング)、曲池、手三里、合穀、魚際、太淵、足三里、伏兎、風市、環跳、陽陵泉、絶骨。電気針、50分。
重症筋無力症鍼灸治療臨床経験 :北京中医針灸院では、多くの重症筋無力症患者の症状を回復、或いは改善してきました。1998年、『日本経済新聞』に鍼灸治療で多くの重症筋無力症が治ったという記事があってから、多くの重症筋無力症患者が通っていらっしゃいます。重症筋無力症患者の一人一人の症状に合わせて、北京中医針灸院はきめ細かく具体的な針灸治療方法で対応しています。今までの重症筋無力症針灸治療では、重症筋無力症患者の生活の質と予後は比較的良好です。多くの重症筋無力症患者は回復が可能になりました。
重症筋無力症の場合、体針のみならず、耳針の治療でも有効です。私は1996年にひとり、21才の女性重症筋無力症患者に、耳の脾、交感、神門、脳点、肝、内分泌、腎穴に置き針をし、週に1回、32回目治療したところ、症状がなくなりました。1年後の再診でも再発しませんでした。
重症筋無力症患者の骨格筋と支配する神経との接合部の伝達機能を正常に戻します。
重症筋無力症患者100名、症状がなくなったのは32名、有効率52%。