鍼灸、針灸

すべり症

すべり症の鍼灸治療

すべり症の原因

すべり症の原因|すべり症の中国針灸治療【整形外科系】

椎骨後方にある突起群のうち、上関節突起と下関節突起との間は椎間関節突起間部と呼ばれ、構造的にやや脆弱な部分に相当します。骨がまだ十分に成長しきっていない10歳代に激しいスポーツを行うと、関節突起間部に過度の負荷がかかるため骨にひびが入り、このような状態が繰り返されると遂には完全な骨折を生じ、上関節突起と下関節突起とが分離します。これを分離症といい、上体からの重みがかかる第5腰椎に生じやすい傾向があります。
 椎骨は本来、前方の椎体と、後方の椎弓と突起群とが椎弓根でつながり強固な構造を持っていますが、分離が生じると、椎骨は前方部分の椎体、上関節突起、横突起と、後方部分の椎弓、下関節突起、棘突起とに分れるため不安定性をきたします。その影響はしだいに椎間板にも及び変性変化が現れます。一般に腰椎全体は前弯を呈するため、下位腰椎ほど椎骨が前方に傾斜し、立位では常に前方への剪断力が加わります。特に第5腰椎では大きな剪断力がかかるため、分離が生じた場合には、椎体が後方部分を置去りにして前方へすべることがあります。これを分離すべり症といい、中年以降の男性で多く見つかる傾向があります。もう1つのタイプのすべりとして変性すべり症があります。

すべり症分類 

  1. 脊椎形成不全性すべり症
  2. 脊椎分離すべり症
  3. 脊椎変性すべり症
  4. 外傷性腰椎すべり症
  5. 病的脊椎すべり症

分離症があるために椎骨の前の部分が前方にすべった状態になるものを分離すべり症といい、腰痛や足のしびれの原因となることがあります。脊椎分離症は脊椎の上下関節突起の間が切れたものを脊椎分離症といいます。いちばん下の第五腰椎に起こることがほとんどで、後天的に切れることが知られていますが、分離していても腰痛のない人もいます。腰椎は、前半分の椎体と、後ろ半分の椎弓からなります。椎体と椎弓の間には椎弓根があります。腰椎分離症は椎弓の部分で腰椎が分離してしまう病態です。(背骨はたくさんの脊椎骨が連なってできているが、個々の脊椎骨は、前方の円柱状をした椎体と後方の凹凸の激しい椎弓から成っている。上下の脊椎骨は、椎体間の椎間板や椎弓の上下にある関節突起による関節、さらに靭帯によってつながっている)。ほとんどは子どものころにスポーツなどで繰り返し負荷がかかったために、疲労骨折を起こしたものと考えられていますが、すべての人が分離症になるわけではなく、体質的な要素もあります。
骨が成熟していない小学校低学年のころに、相撲や体操など激しいスポーツをして椎弓部に骨折を起こし、本来一体である脊椎骨が、椎体と椎弓の前半分と、椎弓の後ろ半分とに分離するものです。若年時には、分離しても、腰痛はあまりなくて気にならないことが多く、そのまま成長する。ところが、年を取ると椎間板に弾力性がなくなるため、体重増加や運動によって、分離した脊椎骨が前下方にずれ、椎弓の後ろの部分が残されてしまう。このため、分離した所のすき間を埋めるように軟骨ができて、それが神経を刺激し、腰痛を招きます。椎分離すべり症は、子供のころの激しいスポーツが関係しているためか、圧倒的に男性に多い。
すべり症が時には分離していなくても、起こることがあります。椎間板の変性が原因で、変性すべり症と呼ばれます。第四腰椎で女性に起こることが多く、がんこな腰痛の原因となることがあります。腰椎は、正常では軽く前方に弯曲しています。下の腰椎は、椎間板や椎間関節によって、すぐ上の腰椎がずれないようになっていますが、椎間関節の形や椎間板の変性によって上の腰椎を固定しにくくなり、ずれが生じます。これを「腰椎変性すべり症」といいます。腰椎変性すべり症の原因としては立ち仕事などを長い期間続けること、腰痛のほかにお尻にも痛みを感じることやその他痺れが出ることが特徴です。
 腰椎すべり症のほかの腰痛としては椎間関節性腰痛症として、症状は腰痛があり朝起きるときは痛みが酷いものの日中からだが動くにしたがって痛みが楽になってくるもので、原因としては腰椎にある関節に起こる炎症などがあるようです。この病気が生じる年代としては中年世代以降の人たちに多く見られるようです。この他には坐骨神経痛、シュモール結節、骨粗しょう症による腰痛など様々な腰痛の原因があるようです。
 一方、腰椎分離症でも下の腰椎がすぐ上の腰椎を制動することができなくなり、ずれが起きます。これを「腰椎分離すべり症」といいます。両者とも、すべってずれが大きくなると、神経を刺激したり、圧迫するようになります。
 腰椎分離症の最も多い症状は腰痛です。長時間の立ち仕事や、同じ姿勢を続けたり、重労働のあとに痛みが強くなります。鈍く重い痛みで、体を後ろに反らせると痛みが強くなります。また、脚の痛みやしびれが出ることもあります。すべりが強くなると脊柱管が狭窄し、腰椎管狭窄症の症状である間欠性跛行が出ます。腰椎分離が生じると、これを修復しようとする生体反応が起こり、分離部に肥厚した骨や線維性組織が形成されます。これらの組織が、関節突起間部の真下を通る神経根を圧迫すると、下肢痛やしびれを生じます。特に、腰を後側屈すると分離部に圧迫が加わるため、痛みの程度が増強します。後方の突起群に分離が生じると構造的に脆弱になることから、前方椎間板も変性しやすく、このため下位腰椎部に鈍痛を感じるようになります。特に、長時間立ち仕事をしたり重いものを持ったりなどして腰に負担がかかった後では鈍痛が増強します。分離すべり症では脊柱管は広がるため中にある馬尾への圧迫は軽度ですが、変性 すべり症では脊柱管が狭窄されるため馬尾が強く圧迫され、典型的な腰部脊柱管狭窄症の症状を呈します。
分離すべり症は脊椎の安定に大切な椎間関節に形態的な弱みがある人に多く起こりやすいとされています。
 老化による椎間板の変性や椎間関節の変性(椎間関節のすり減り)が強くなることで脊椎がゆるんだ状態になり、第4腰椎の下関節突起部分が第5腰椎の上関節突起部分を少し乗り越えて前にずれ、脊柱管が狭まり腰痛などの症状があらわれます。 これは椎間板が変性変化によって弾力を失い、高さが減じる際に上下の椎体の並びにずれを生じるものです。中年以降の女性の第4腰椎に多くみられ、多くは前方にすべり、腰部脊柱管狭窄症の一因となります。先天性すべり症は先天的なS1椎と関節突起の形成不全によりL5椎のきわめて高度なすべり症が生じ、すべりは成長とともに進行します。

■先天性すべり症の症状
腰痛と大腿後面の痛み
すべりによる後彎変形、代償する腰椎前弯増強
馬尾や神経根の障害
■脊椎変性すべり症の症状
腰椎前弯増強
腰がずれるような不安感や張った感じの腰痛
大腿後面の重圧感
神経根性間欠性跛行(馬尾障害は生じない←椎弓が後方へ残っている)
■変性脊椎すべり症の症状
椎弓の分離がなく椎体が前方にすべっている状態
大部分はL4椎のすべり症
・40歳以上の女性に多い
腰部脊柱狭窄代表的原因疾患
徐々に発症する腰痛

腰部脊柱狭窄 の馬尾性間欠性跛行の症状

X線検査を行えば、腰椎分離症も腰椎すべり症も診断できます。しかし分離やすべりがあっても、必ずしも症状を現しているとは限らないので、注意を要します。その他の画像検査としてCTやMRIがありますが、これらは主に手術を前提に神経の圧迫の状態を調べたり、分離部を明瞭に観察するために行うことが多くなっています。分離部は単純X線写真の斜位像でよく描出できます。この画面では各突起群があたかもテリア犬のように見え、ちょうど首に相当する部分に亀裂を認めます。CTでは分離部はさらに明らかに描出されます。激しいスポーツを行っている10歳代の青少年が腰痛を訴える場合には、必ず単純X線写真の斜位像を確認する必要があります。鑑別すべき疾患には、若年性の腰椎椎間板ヘルニアがあります。
 手術以外に、保存治療には、鍼灸、装具療法、薬物療法、理学療法、ブロック治療などがあります。
 西洋医学的な保存治療の基本は安静で、コルセットを装用して動きを制限することもあります。薬物療法では、疼痛に対して消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を用います。そのほか、神経の修復を助けるために神経賦活薬や末梢循環改善薬なども用います。
 理学療法では、温めることで末梢の血液循環がよくなり疼痛が改善するので、温熱療法も用います。やや特殊な方法として、神経に局所麻酔薬を注射する神経ブロックがあります。神経ブロックの初回は治療的な意味もありますが、現在の痛みが確かに腰の神経が圧迫されて生じているためであるという診断的な意味でも用いられ、その他の腰痛を来す内臓疾患との鑑別に用いられます。

すべり症鍼灸治療法

すべり症鍼灸治療症例と臨床経験

すべり症の鍼灸治療症例:すべり症患者45名,男性22名,女性23名,年令は40から81歳まで。鍼灸取穴:次髎、上髎、両側の腰眼、大腸兪、腎兪、委中、崑崙。坐骨神経痛の場合は環跳、承扶、陽陵泉を追加。電気針、20分間後、吸い玉20分間。

すべり症の鍼灸臨床経験:すべり症の治療方法はたくさんありますが、手術以外の保存治療はやはり鍼灸治療が一番効果的です。脊椎すべり症の場合、脊椎矯正手技では神経根の圧迫の解除ができますので、完治率も高いです。

すべり症鍼灸治療のメカリズム

鍼灸(灸鍼灸)の外周神経への影響

鍼灸刺激では、周囲神経の痛覚神経の痛み信号の伝達を遮断することによって、脊髄の傷害性刺激信号に対しての反応を抑制します。

鍼灸の中枢神経への影響

鍼灸刺激では、痛み信号の伝達及び感受を抑制し、脳の鎮痛システムを興奮することによって、鎮痛効果を発揮します。

鍼灸の中枢神経の伝達物質への影響

鍼灸(針)刺激では、脳のエンドルフィンを増やし、脳のカテコールアミンは減らし、また、脳のモルヒネをも増やします。これらの総合作用によって、鎮痛効果が得られます。脊椎矯正で、神経の圧迫症状を解除します。

すべり症鍼灸治療効果

すべり症患者45名,症状が消えたのは32名、有効率71%。

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