緑内障
緑内障には大別して2種類あり、それぞれに症状が異なります。
“開放隅角緑内障”は1つで、緑内障の症状は初期にはほとんど何もなく、進行してくると目が疲れる(眼精疲労)、ときどきかすみがかかる、裸電球やライターの火の周囲に虹がかかるなどの症状が出たり、よくなったりします。
緑内障患者がやがて視野異常(鼻側下方)が見えない、あるいは中心よりやや外側で暗点があるなど)に気づき、さらに進行すると中心視野だけが残り、ついにはそれもなくなり失明します。最近の疫学調査によりますと、眼圧は正常域(10〜20mmHg)にあるにもかかわらず、視神経乳頭や視野異常が典型的に生じる緑内障、いわゆる正常眼圧緑内障(低眼圧緑内障)がもっとも多いことがわかりました。この緑内障は眼圧の測定だけでは発見できませんので眼底検査、特に視神経乳頭部の所見がもっとも重要となります。
“ 閉塞隅角緑内障”は もう1つのかたちで、眼圧が急激に上昇して、急激な視力低下、眼痛、頭痛、悪心、嘔吐があり、結膜は強い充血がみられます。強い頭痛、悪心、嘔吐のためにからだの他の部の病気を考えて、脳外科や内科を受診することすらあります。
先天緑内障(牛眼)は新生児や乳幼児からであり、角膜径拡大、角膜混濁、まぶしがったり、流涙や斜視で気づくこともあります。
緑内障は、その人の眼にとって眼内圧が異常に高くなり神経節細胞の障害が起こり、そのために視野・視力異常や、眼底での視神経乳頭陥凹の拡大などが起こっている状態をいいます。
角膜、水晶体や硝子体には光が通りますから、透明でなければならず、血管はありません。しかし、これらの組織の栄養や代謝物の輸送をつかさどるものがなければなりません。その役目を房水が担っています。房水はたんぱく質が非常に少なく、光学的に混濁はありません。房水は毛様体でつくられ、後(眼)房に出て硝子体や水晶体に栄養を与え、代謝物を運び瞳孔に出てきます。瞳孔を経て前(眼)房に入り、角膜内層の栄養補給と、代謝物の運搬をして隅角に達します。隅角部は線維柱帯で網目構造をしており、その外側に角膜輪部に平行に輪状にシュレム管があり、房水は線維柱帯を経てここに集まり、そこから強膜中の房水静脈に入り全身の血管系へ流れ出ます。房水の流出路のおもなものは隅角ですが、このほか毛様体のなかを後方へ流れ、脈絡膜から外へ出る道もあります。
このように目に入ってくる房水と流出していく房水があり、このバランスのうえに眼球は一定の内圧をもつことになり、これを“眼圧”と呼んでいます。正常眼圧は10〜20mmHgで、平均して16mmHgです。普通21mmHgを超えると異常と考え、経過観察が必要となります。経過観察項目としては、1.眼圧、2.視神経乳頭陥凹、3.視野検査は必ず必要です。緑内障には原因のわからない原発性のものと、ほかに病気があってその結果緑内障を起こす続発性のものがあります。正常眼圧緑内障では眼圧は正常域にあるので、もっとも大切な所見は視神経陥凹と視野検査です。
緑内障の診断には、自覚症状、眼圧測定、細隙灯検査、隅角検査、眼底検査、視野検査や負荷検査などの特殊な検査をおこないます。緑内障は遺伝しますので、家系についての問診は大切なものです。
緑内障の治療は、まず早期発見が非常に大切です。先天性の場合は家族歴、目が異常に黒めがちで大きい、目つきがおかしいなどに注意しなければなりません。後天性の場合、特に成人の場合は、40歳以上になれば生活習慣病検査で眼圧測定と眼底、特に乳頭検査をおこなう必要があります。40歳以上の人口の2%に眼圧21mmHg以上の人がいます。
緑内障が続発性の場合、ぶどう膜炎を以前に起こしているかどうか、副腎皮質ステロイド薬の長期投与をされたかどうか、糖尿病、網膜静脈閉塞症、外傷の有無を確かめなければなりません。もし疑いがあれば負荷試験や1日入院して、一日中の眼圧の変動(日差)もみなければならないかもしれません。診断がつけば、その型にしたがって治療がはじまります。
緑内障による失明は後天失明のもっとも多い原因の1つです。病状がある程度進行してしまうと、治療開始後も症状が進んでしまうこともありますので、この病気の早期発見と早期治療がいかに大切かがわかります。
緑内障鍼灸治療症例 :緑内障患者46名。取穴:行間、眼底穴、球後、太陽、晴明、翳風、三陰交、足三里。針体から微電流を50分ほど流し続けます。 眼底穴と球後穴、中国では、目の病気の治療によく使われますが、他のツボより痛みが出やすいため、当院ではこのツボを使う場合、患者さんに説明し、同意してもらった上のみ、治療を行います。
緑内障鍼灸臨床経験 :「中国医学科学院」2006年の緑内障針治療研究結果では行間穴に強い刺激を与えると、すぐに、78%の眼圧高型緑内障の眼圧が下がり、持続時間は約7〜41時間でした。
1998年に『日本経済新聞』で、鍼灸治療で緑内障が治るという記事があってから、緑内障に対する針治療効果が世界から注目を集めていました。
緑内障患者のツボに電気針で刺激すると電気信号は網膜にある視細胞のところで、電気エネルギーに変えて、視神経の再生を促進します。電気信号はまた視神経の中を伝わり、後頭葉にある皮質視中枢に達し、さまざまな効果をきたします。閉鎖している毛細血管が再開し、細胞に栄養を与え、代謝を促進させます。
緑内障患者46名、完治したのは19名、有効率は81%。