帯状疱疹(ヘルペス)
単純疱疹ウイルス(HSV)によってできる口内炎で、部位、症状によって口唇疱疹、疱疹性口内炎、疱疹性歯肉口内炎と呼ばれます。口唇疱疹は20〜30歳に多くみられ、再発しやすいものです。かぜをひいたときなどに口唇の粘膜と皮膚の境目に直径1〜3mmの水疱を形成しますが、まもなくつぶれてただれとなり、かさぶたができて約1週間で治ります。
HSVが6歳以下の子どもにはじめて感染したときには症状が強くあらわれ、かぜのような全身の症状が出ます。抵抗力が弱いと、髄膜炎を起こしたりして重症になることもあります。
歯肉、口腔粘膜に多数の小アフタができ、やがておたがいがくっつきあってただれになり、症状から疱疹性歯肉口内炎と呼ばれます。
成人で再度感染したときには全身症状は軽く、歯肉の症状もないことが多いので、疱疹性口内炎と呼ばれます。
帯状疱疹ウイルスの感染による病気で、一定の神経の領域に沿って小さな水疱が多数でき、すぐにつぶれてアフタになります。顔面の皮膚にも口の中にもできますが、顔のまん中を越えないで片側だけに出るのが特徴です。時に三叉神経痛が残ることがあります。
帯状疱疹ウイルスが顔面神経の領域に出ると、顔面神経まひ、耳の部分の水疱、耳鳴りなどの症状を示し、ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれます。
コクサッキーウイルスなどの感染によって、乳幼児の軟口蓋からのどにかけて小水疱ができ、すぐにアフタになります。かぜのような症状を示します。
コクサッキーウイルスなどによる流行性の病気で、乳幼児の手のひら、足の裏の発疹とともに口の中に小さな水疱ができて、すぐにつぶれてアフタになります。
はじめは、頭痛、腰痛、そのほか神経痛のような痛み、だるい感じがあります。それに続いて、痛みのある皮膚に、米半粒大ぐらいの赤い発疹が5、6個ずつむらがってでき、それが全体としては線状、または帯状に並んできます。だんだん、小さな水ぶくれが目立ってきます。
1つ1つの水ぶくれの内容は、はじめは透明で、そのまわりの皮膚が赤くなっているのが特徴です。だんだん内容は濁り、なかには出血しているものもありますが、水ぶくれの中心部が黒くなって、へこんでいくのが特色です。また、ほとんど片方だけにできます(片側性)。
ウイルス感染であって、子どもの水ぼうそうの原因ウイルスと同じです。多くの場合は、3週間ぐらいでよくなります。2度これにかかることは、まずありません。
治療上注意しなければならないのは、目のまわり、つまり三叉神経の領域に一致する部位にできるものに、眼球病変を起こすことがあることです。高齢者ではあとに長く神経痛が残ることがあります。この「帯状疱疹後神経痛」を残さないためには、できるだけ早期に治療をはじめることが必要です。神経痛が残ったときには鍼灸院で治療を受けます。
水ぼうそう(水痘)と帯状疱疹は、いずれも水痘帯状疱疹ウイルスが起こす病気です。水痘帯状疱疹ウイルスの初回感染では水ぼうそうになり、何年もたってからウイルスが再び出現した場合には帯状疱疹になります。水ぼうそうにかかると、ウイルスは血流に入り、脳神経や脊髄神経の神経節に広く感染し、そこで休眠状態となって存続します。ウイルスは二度と症状を引き起こさないこともあれば、何年もたってから再び活性化することもあります。再活性化したウイルスは神経線維を伝わって皮膚へ戻り、痛みのある水ぼうそうに似たびらんを生じます。びらんはほとんど必ず、感染した神経線維の集まりが分布する体の片側の皮膚に限って帯状に発生します。この部位を皮膚分節と呼びます。HSV感染症と異なり、帯状疱疹の発症は一生に一度といわれています。
帯状疱疹はどの年齢にも起こりますが、50歳以上によくみられます。再活性化の原因は不明ですが、エイズやホジキン病、免疫抑制薬の使用などで免疫機能が低下している場合に起こることがあります。ただし、帯状疱疹が起こったからといって、ほかに重い病気があるとは限りません。帯状疱疹にかかると、水疱ができる3〜4日前から体調が悪くなり、悪寒、発熱、吐き気、下痢、排尿障害がみられます。皮膚に痛み、ピリピリした感覚、かゆみが起こることもあります。その後、縁が赤い小さな水疱がかたまって発生します。水疱ができるのは、感染した神経が支配する領域の皮膚に限られます。ほとんどの場合、水疱は胴体の左右どちらかの側にだけできますが、他の部位にも少数の水疱ができることもあります。患部はどんな刺激にも敏感に反応し、軽く触れただけでも激しく痛みます。小児の場合は、成人に比べて症状は一般に軽い傾向にあります。
水疱は出現してから5日ほどで乾いてかさぶたになります。かさぶたができるまでは、水疱には水痘帯状疱疹ウイルスが入っているため、他の人にうつると水ぼうそうになることがあります。水疱が広い範囲に及んだり、2週間以上も治らない場合は、免疫機能が正常に働いていないことが考えられます。
帯状疱疹は一度かかると終生免疫が得られ、再発するのは5%以下です。皮膚に瘢痕が大きく残ることもありますが、ほとんどの場合、後遺症もなく回復します。
ただし、特に高齢者の場合は帯状疱疹後神経痛に移行し、患部に慢性的な痛みが続くことがあります。眼を支配する顔面神経に症状が出た場合はかなり深刻で、適切な治療をしないと視力に影響が出ることがあります。
帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹ウイルスに感染した神経が支配する皮膚領域に起こる慢性的な痛みをいいます。この痛みは、帯状疱疹にかかった後数カ月から数年にわたってしつこく続きますが、その間ウイルスが活発に増殖しているわけではなく、なぜ痛みが続くのかはよくわかっていません。帯状疱疹後神経痛の痛みは、絶え間なく続く場合もあれば間が空くこともあり、夜間に悪化したり、暑さや寒さでひどくなったりすることもあります。痛みで他のことが手につかなくなる場合もあります。
帯状疱疹後神経痛は主に高齢者に多く起こります。50歳以上で帯状疱疹にかかった人の25〜50%に、ある程度の帯状疱疹後神経痛がみられます。しかし、帯状疱疹にかかった人の全体からみれば、帯状疱疹後神経痛を発症するのは10%程度にすぎず、激しい痛みを訴えるケースも非常に限られています。
ほとんどの場合、痛みは1〜3カ月で治まりますが、10〜20%のケースで1年以上続きます。まれに10年以上続くこともあります。
西洋医学では、これまで多くの治療法が試されてきましたが、決め手となるような治療法は確立していません。鍼灸では、完治するのは多くて、まず鍼灸治療を受けるべきです。
ヘルペス(帯状疱疹・単純疱疹)の鍼灸治療症例:ヘルペス(帯状疱疹,単純疱疹)患者49名、取穴:合穀、曲池、血海、三陰交、患部及び患部を支配する神経エリア。針体から微電流を50分ほど流し続けます。
帯状疱疹後神経痛:取穴―患部及び患部を支配する神経エリア、針と吸い玉併用。頑固な神経痛の場合、両足の足裏の心穴、腎穴(涌泉)をも併用します。
ヘルペス(帯状疱疹・単純疱疹)の鍼灸臨床経験:ヘルペスと帯状疱疹後神経痛の患者さんが鍼灸治療を受けた後、患部充血と疱疹が急速に好転します。49名患者の内、36名は1週間以内完治しました。鎮痛効果も最初の治療から得られます。鍼灸のウイルスに対する絶対的な効果がアメリカでも、大きく評価され、エイズの治療にも用いられています。
ブロック注射よりも鍼灸の帯状疱疹後神経痛に対する効果がよくて、鎮痛効果も早く、完治率も非常に高いです。
ヘルペス(帯状疱疹,単純疱疹)患者の免疫機能に強く働いて、免疫機能が増強したと考えられます。
ヘルペス(帯状疱疹,単純疱疹)患者49名、完治したのは45名でした。