間質性肺炎
間質性肺炎とは、何らかの原因で肺胞の壁の中や周辺に炎症が起こり、細胞やコラーゲンなどが増加し壁が厚くなる病気です。そのため、咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり、息苦しくなります。一過性の場合もありますが、炎症が治っても傷が残り、肺が固くなる場合があり、更に不可逆的に増悪して、肺がどんどん固くなり膨らみにくくなり、呼吸が維持出来なくなる場合もあります。
肺は血液中のガスを大気中のものと交換する器官であり、大気を取り込む肺胞と毛細血管
が接近して絡み合っています。これらを取り囲んで支持している組織が間質です。肺炎と言えば、普通は何らかの微生物による感染であり、抗生物質などの治療で軽快しますが、抗生物質の効きにくい肺炎や胸のレントゲン検査で左右にわたって病気の影があるような場合は間質性肺炎も疑う必要があります。
間質性肺炎は肺の間質組織炎症で、致命的であると同時に治療も困難な難病です。間質性肺炎進行して炎症組織が繊維化したものは肺線維症と呼ばれます。
北京中医針灸院の間質性肺炎の治療目的は、間質性肺炎患者のできるかぎりの回復の機会を提供することと間質性肺炎の完全な回復までの時間を短縮することです。
間質性肺炎の治療は、西洋医学以外に東洋医学の治療も効果があります。当院長は間質性肺炎患者の期待に応えるため、25年間、間質性肺炎の治療に力を入れて、試行錯誤の末、独自の電気針治療法を開発しました。そして良い成果を上げています。1990年4月から2008年10月の間、当院で鍼灸治療を受けた間質性肺炎の患者さん130名を統計しましたところ、完治したのは69名でした。
間質性肺炎の原因が多様なため、当院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気針治療法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。そして間質性肺炎の治癒は患者さんの生活の質を向上させるのに役に立っています。
もう一つ注目すべき点は針灸治療を受けて治った間質性肺炎患者69名の中、間質性肺炎の再発した方がいませんでした。針灸治療は間質性肺炎の再発予防にも効果があることが分かりました。
間質性肺炎病態から呼吸困難や呼吸不全が主体となります。また、肺の持続的な刺激により咳嗽がみられ、それは痰を伴わない乾性咳嗽です。身体を動かそうとしたとき,何か話を始めようとしたとき、急いで息を吸い込んだとき、冷たい空気を吸い込んだときなどに咳込むことが多いようです。
間質性肺炎が進むと咳も頻繁になり、咳が咳を誘発するかたちで執拗に続くことがあります。間質性肺炎患者にとっては咳が続くということは、ただ息が苦しいというだけではなく、体力を消耗する原因となります。ひどい場合には,体重がかなり低下してしまうこともあります。肺線維症に進行すると咳などによって肺が破れて呼吸困難や呼吸不全となり、それを引きがねとして心不全を起こし、やがて死に至ることも多い。
間質性肺炎診察上特徴的なのは胸部聴診音で、パチパチという捻髪音 fine crackleが知られるます。これはマジックテープをはがす音に似ているため、マジックテープのメーカー(ベルクロ社)にちなんでベルクロラ音とも呼ばれます。
間質性肺炎タイプにもよりますが、進行性間質性肺炎で治療に抵抗性のものでは数ヶ月で死に至るものもあります。間質性肺炎慢性的に進行した場合は10年以上生存することも多く、マイコプラズマ肺炎など一過性の感染によるものの場合は感染の終息とともに回復します。
間質性肺炎は、原疾患の病勢、治療薬の副作用、感染症などをきっかけに急激に症状が増悪し、致命的となる場合がある。これを急性増悪といい、管理上の最大の問題となる。緊急的にパルス治療が必要です。
間質性肺炎の鍼灸治療症例 :間質性肺炎患者さん130名、大椎、天突、尺澤、豊隆、足三里、肺兪、腎兪。直接灸。
間質性肺炎の鍼灸治療臨床経験 :北京中医針灸院では、多くの間質性肺炎患者の症状を回復、或いは改善させてきました。今も多くの間質性肺炎患者が通っていらっしゃいます。間質性肺炎患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かく具体的な針灸治療方法で対応しています。針灸治療では、間質性肺炎患者の生活の質と予後は比較的良好です。大多数の間質性肺炎患者は社会復帰が可能になりました。 特にお灸の併用で、呼吸困難、呼吸不全、乾性咳嗽などに かなり効果があります。
免疫機能の働きをよくすることで、肺胞の間質の修復を促進すると考えられます。
間質性肺炎患者さん130名、完治したのは69名、有効率72%。
山中さん、36歳、主婦、江東区在住。3年前リウマチに罹り、咳嗽がみられ、痰を伴わない乾性咳嗽で、身体を動かそうとしたとき,何か話を始めようとしたとき、急いで息を吸い込んだとき、冷たい空気を吸い込んだときなどに咳込むことが多いです。呼吸が苦しく、2週間前、病院で間質性肺炎と診断され、当院の鍼灸治療を受けました。11回目から咳が止まり、呼吸困難も改善され、さらに12回の治療で、呼吸困難もなくなり、最後はリウマチのみの膠原病治療に変わりました。
特発性間質性肺炎は間質性肺炎の中でも原因がわからない一群の病気です。最近国際的に分類が整理され、日本でも分類や診断基準が新しくなりました。その結果、特発性間質性肺炎は7種類に分類されることになりました。つまり(1)特発性肺線維症、(2)非特異性間質性肺炎、(3)急性間質性肺炎、(4)特発性器質化肺炎、(5) 剥離性間質性肺炎、(6) 呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、(7)リンパ球性間質性肺炎です。それぞれの病気は検査方法、治療方針、治療効果や予後など異なっており、特発性間質性肺炎の中のどれであるか診断することは重要です。最近の診断基準では高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)が診断に有用とされ、気管支鏡などで診断がつかない場合、更に手術による肺生検(胸腔鏡での肺生検、開胸肺生検)が必要になる場合もあります。
特発性肺線維症は50才以上で症状を認めることが多く、男性は女性よりやや多いようです。非特異性間質性肺炎はもう少し若い時期に症状を認めるようです。剥離性間質性肺炎と呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患は喫煙者に多いと言われています。
非特異性間質性肺炎はじめは、空咳(痰のない咳)や、運動時(あるいは坂道や階段で)の息切れが認められます。進行すると少しの労作でも息切れを感じるようになります。指の先がばち状に太くなることがあります。特発性肺線維症では治療(ステロイドや免疫抑制剤)の効果が十分ではなく3〜5年くらいで悪化してしまう場合があります。尚、風邪などを契機に短期間で急に悪化すること("急性増悪"と呼びます)があり注意が必要です。非特異性間質性肺炎や特発性器質化肺炎の中には治療に極めて良く反応し予後良好な場合もありますが、軽快増悪を繰り返す、あるいは7〜10年で徐々に悪化し予後不良となる場合があります。剥離性間質性肺炎と呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患は一般的に予後は良好とされています。急性間質性肺炎は急激に発症し予後はあまり良くありません。
特発性間質性肺炎と診断された後、長年経過を追っている間に膠原病等の症状が明らかになり後で膠原病等と再評価される場合があります。また特発性間質性肺炎では肺がんを合併する頻度が高いと言われています。病状が安定していても、定期的な検査を受けることが必要です。