子宮内膜症
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図2.内膜症が好発する場所 1.卵巣の内側、表面 2.子宮と直腸の間のダグラス窩と呼ばれる部分 3.子宮の筋肉の間(これは特に腺筋症とよばれます) 4.その他、子宮や直腸表面の腹膜など。 |
子宮内膜症の場合、本来は子宮腔内面にある子宮内膜が子宮以外の場所にも増殖したもので、子宮腺筋症(内性子宮内膜症)と外性子宮内膜症があります。女性ホルモンのはたらきで増殖・進行する病気で、月経のある女性にみられます。
子宮内膜組織が子宮筋層の内部にある場合です。それが卵巣から出るホルモンの影響で筋層内に月経のときの子宮内膜と同じように増殖・出血して月経困難症の原因になります。
子宮は肥大し、強い月経痛と過多月経があり、30代ごろより始まってしだいに症状が強くなります。
子宮内膜組織が卵管、卵巣、子宮後壁などに発生したもので、月経血が逆流してできるという説があります。月経のたびに出血とかたい腫瘤を形成しながら進行し、不妊症の原因にもなります。
卵巣に病変を有する子宮内膜症のことで、嚢胞の内容物がチョコレート様を呈することから命名されました。ほかに腹膜病変やダグラス窩(子宮後壁から直腸前壁にかけての部分)にも病変のあることが多いです。
子宮内膜あるいはそれと類似の組織が子宮以外の場所にできて、卵巣からのホルモンの影響を受けてさまざまな疼痛の原因となります。
月経痛、性交痛が主な症状であり、不妊症もこの疾患を疑わせる根拠になります。これに発生場所に特有の症状が加味されます。たとえば直腸周辺に発生すると排便通や下痢などの症状がおこります。
下腹痛に鎮痛剤が効かない若い女性に腹腔鏡検査を行うと、半数以上に子宮内膜症が認められます。
診断は問診や内診、超音波診断装置やMRIなどの画像診断によります。腹膜の病変は腹腔鏡によってのみ診断が可能ですが、卵巣チョコレート嚢胞は経膣超音波診断やMRIなどでも可能です。
近年増加しつつある病気で、がんのような悪性疾患ではありませんが、若い女性のquality of life(生活の質)をおびやかす疾患といえます。
| 1.月経痛(月経困難症) |
| 子宮内膜症による月経痛(生理痛)の特徴は |
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| 2.生理痛以外にも時々腹痛がある。 |
| 特に排卵期(生理と生理の中間の頃)や生理前にも腹痛がある。 |
| 3.性交痛 |
| 子宮内膜症がダクラス窩にあるとしばしばセックスの時、膣の奥が痛むこと(性交痛)があります。 |
| 4.月経時に下痢をしやすい。 |
| 5.月経の血液量が多い(過多月経) |
| 月経の血液にレバーのような凝血がまじるようだと過多月経と考えられますが、子宮内膜症にはしばしば過多月経を伴います。 |
| 6.不妊症 |
| 子宮内膜症があると全ての人が不妊症になるわけではありませんが、逆に不妊症の20%位が子宮内膜症が原因といわれています。 |
以上のように子宮内膜症にはいろいろな症状を伴います。しかし、症状の全てがでるわけではなく、そのいくつかが組み合わさっていることが多いのです。特にその中で症状項目1.2.3.5は重要な症状です。ですから、御自身にあてはまる症状がいくつか自覚できるようであれば子宮内膜症が疑われますので一度受診されることをおすすめします。 |
西洋医学では、薬物療法(ホルモン療法)と手術療法あるいはこれら2つの治療法を組み合わせた治療をおこないます。患者の年齢や症状、病気の進行状態、子どもが欲しいか否か、これまでの治療経過などを総合的に参考にして治療法を選択することになります。
薬物療法(GNRHアゴニスト、ダナゾール)はよく効きますが、同時に更年期障害様症状や、体重増加、にきび、多毛などの美容上の副作用もあります。また長期間にわたって使用するときは、骨粗鬆症のおそれがある人や虚血性心疾患のおそれがある人は注意が必要です。また、薬物療法を中止すると、残念なことに再発することが多いのも現状です。
手術療法には、子宮も卵巣もとってしまう摘出方法もありますが、将来の妊娠を考えて癒着をはがすだけのこともあります。
また、腹腔鏡下手術やアルコールを注入するだけの治療もあり、医師は患者一人ひとりにもっともふさわしい手法を選択します。
外性子宮内膜症のはっきりした発生の原因はまだわかっていません。月経の時、内膜が剥がれて子宮から膣へ出ていきます。これが月経ですが、その時子宮内膜の一部が子宮から逆流して卵管を通り腹腔内にばらま??い?@`膜の一部がそこで発育する説が有力な説(子宮内膜逆流脱)の一つです 。
子宮内膜症を診断するには通常次のような方法が用いられます。
| 1) 問診 | 4) MRI |
| 2) 内診 | 5) 血液検査(CA125というマーカー) |
| 3) 超音波 | 6) 腹腔鏡 |
しかし、1〜6の全てを動員しないと診断がつかないわけではありません。通常1の問診で子宮内膜症の疑いがあると判断した場合、内診にて子宮の後方(ダグラス窩)にしこり(硬結)がないかどうか、あるいは圧痛があるかどうか、あるいは卵巣がはれていないか(腫大)どうかわかります。ある程度進んだ子宮内膜症ではこの内診でほぼ診断がつきます。内診の時間は1〜2分間で特別な苦痛を伴うものではありません。
また,3の超音波は子宮内膜症が卵巣の内にでき、チョコレートのう腫とよばれるように血液がたまった状態を診断するのに効果的です。また4のMRIという断層撮影も同様です。
5の血液検査は補助的な方法ですが,血液中のCA-125という腫瘍マーカーが子宮内膜症では高くなることがあり、このCA-125が高値であれば子宮内膜症がある程度進んだ状態と考えられます。しかし、これが正常値であるからといって子宮内膜症を否定することはできません。
最後に6の腹腔鏡です。これは腹腔鏡という内視鏡(おへその直下から内視鏡を入れ、骨盤の内を観察し、さらには子宮内膜症の部分を取り除いたりすることもできます。)をお腹の内に入れて、直接診断する方法です。この方法はお腹の中に内膜症が本当にあるかどうか、あるいは病巣の広がり具合を直接みて診断が可能なことから最も信頼できる方法です。しかし腹腔鏡は通常、入院の上、全身麻酔が必要ですし、必ずしも負担が少ない方法ではありません。ですから腹腔鏡が必要な場合は1 )内膜症がかなり進んでいて、薬などの治療では不充分な方で、内視鏡をみながらの切除、焼灼などの外科的処置が必要な人。あるいは2)1)のような人でさらに不妊症を伴う人などが腹腔鏡の対象になります。
また子宮内膜症の殆どは診断法1〜5で診断が確定できます。ですから生理痛を訴えて受診したら子宮内膜症が疑われたので、いきなり腹腔鏡をしましょうということはまずありません。
子宮内膜症鍼灸治療症例 :子宮内膜症患者77名、取穴:子宮、中極、気海、関元、天枢、腎兪、次髎、足三里、三陰交、太沖、内関、合穀。電気針。気海に間接灸9壮。
子宮内膜症鍼灸臨床経験 :子宮内膜症患者には西洋医学のホルモン療法と手術以外に、東洋医学の鍼灸治療でも、かなり効果があげられることは、日本では、あまり知られていないようですが、中国では、婦人科医なら、常識です。中国では、婦人科系疾患では、副作用なく、効果確実な鍼灸が良く採用されます。
子宮内膜症患者の卵巣からのホルモン分泌を抑制すると考えられます。
子宮内膜症患者77名、完治したのは53名でした。
@気滞血瘀「オ」型:膈下逐瘀湯
A寒湿型:少腹逐瘀湯
B湿熱血瘀「オ」型:清熱調血湯
C気血虚弱型:十全大補湯
D肝腎虚弱型:左帰丸
膈下逐瘀湯[処方]當歸9、桃仁6、甘草3、紅花3、川芎6、牡丹皮6、赤芍6、烏藥9、五靈脂9、香附9、枳殼6、延胡索6
少腹逐瘀湯[処方]當歸9、蒲黃6、赤芍6、五靈脂9、川芎6、肉桂6、沒藥6、延胡索9、乾薑3、小茴香6
十全大補湯[処方]黄耆5.0、桂皮3.0、熟地黄3.0 芍薬3.0、川きゅう3.0、蒼朮3.0 当帰3.0、人参3.0、茯苓3.0 甘草1.5
左帰丸[処方]熟地18 山薬15 枸杞子15 山萸肉12 川牛膝9 菟絲子12 鹿角膠12 亀板膠12