乾癬と中国医学 (通院困難な方は、漢方相談にも。院長のお勧め⇒)
乾癬について
乾癬とは、皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色のフケのような垢が付着し、ポロポロとはがれ落ちる病気です。
乾癬が起こるはっきりした原因はまだ分かっていませんが、白人に多く、もともと欧米人に多い病気でしたが、最近は日本人にも乾癬が多く見られ、10万人以上の患者さんがいるといわれています。
健常の皮膚では、表皮細胞と白血球がサイトカインなどの伝達物質を使ってうまく連絡を取り合ってお互いを制御していますが、このバランスがくずれると表皮細胞が一方的に増殖して早く脱落していくことが起こります。普通、表皮細胞はその一番外側に角質層という死んだ細胞の層をつくり、垢になって落ちていくことを一定の周期(45日)で繰り返していますが、乾癬ではこの周期が極度に短縮(4〜5日)しているため、カサカサと皮がむけていきます。
ヨーロッパやアメリカでは皮膚病というと乾癬のことを指すほど患者数の多い皮膚疾患です。日本ではこれまで乾癬患者数の少ない皮膚病のひとつでしたが、昭和40年代以降、生活習慣の変化と共に乾癬患者数は増加し続けています。皮膚科来院数の数パーセントが乾癬の患者さんです。そのため積極的な乾癬治療を進めていても長期間体の見える部分に皮疹を伴うことから、他の皮膚炎に比べ日常生活の中で精神的な苦痛、悩みもを多く抱えて過ごされている乾癬患者さんも少なくありません。
日本では戦後に増加した病気であり、現在の日本人の乾癬頻度は約0.01%です。日本では乾癬は比較的、認知度の低い病気となっています。
乾癬の男女比では主に男性がやや多いとされ、30〜40代での発症が多いとされていますが、女性では10代と50〜60代の二峰性の発症が多いとも言われています。その一方で、乳幼児のおむつ部から乾癬発生する例も見受けられます。 日本での乾癬家族内発症は5%です。
また、関節症性乾癬や膿胞性乾癬の場合、皮疹の発症の他に患部の痛みを強く生じるために日常生活に支障を来すことも多く、就労に支障が出るなどの問題を抱えながら生活をしている方が数多くいらっしゃいます。
乾癬に対する当院の取り組み
北京中医針灸院の乾癬の治療目的は、乾癬患者にできるかぎりの視力回復の機会を提供することと乾癬の完全な回復までの時間を短縮することです。
難病である乾癬に対して北京中医針灸院は25年間、乾癬の治療に力を入れて、試行錯誤の末、独自の電気針治療法を開発しました。特殊な鍼と電気の併用で良い成果を上げています。1990年4月から2008年10月の間、当院で鍼灸治療を受けた乾癬の患者さん520名を集計しましたところ、乾癬患者520名のうち、完治したのは280名でした。
北京中医針灸院の治療は乾癬の頑固さに応じて、多岐に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気針治療法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。そして皮膚の回復で、乾癬患者さんの精神的な苦痛を解消させるのに役に立っています。
乾癬の原因
乾癬の原因は、遺伝的になりやすい素質がある方に、いろいろな誘因が加わって生じると考えられています。乾癬の誘因として化学物質、高脂肪食、上気道感染(かぜ、扁桃炎)などの感染症、擦ったりする機械的刺激、薬剤、ストレスなどがあげられます。
- 遺伝的素因による乾癬
- 外因による乾癬:感染症、精神的ストレス、薬剤など
- 内因による乾癬:糖尿病、高脂血症、肥満など
乾癬の血液検査上、ヘルパーT細胞(白血球の一種)の増加や、Th1の亢進などが言われており、これがこの乾癬の原因とどのように関係しているか、などが研究されている現状です。また、乾癬の原因としては内外のストレス、気候の変化、高脂肪摂取など生活環境で増悪するという事例も多いです。そのため、元々の体質的な素因に精神的、肉体的なストレスや紫外線不足、西洋系の食生活などが関係して乾癬発病している可能性も考えられ、研究されています。
乾癬の発生メカニズム
乾癬皮膚の表皮を作るスピードが通常の細胞10倍速を上回り、正常皮膚の細胞周期は約457時間、対して乾癬病変部位は37.5時間と1/10以下。がん細胞の増殖を超える速度です。乾癬真皮の血管が肥大しつつ組織を炎症しながら、表皮が角化し剥離する入れ換わり周期(ターンオーバーと呼ばれる)が通常なら4週間のところ3〜4日で完了し、どんどん表皮が増殖し角化が亢進している状態によって、白いカサブタ状の乾癬皮疹を多く生じます。
乾癬の分類
乾癬にはいろいろな症状があり大きく次のように分類されています。
- 尋常性乾癬
乾癬の患者さんの大半は尋常性乾癬です。頭皮を含む全身の皮膚に百円玉大の皮疹が多く点在して白い鱗屑(かさぶた)を伴います。乾癬症状が悪い場合には皮疹と皮疹がつながり大きな紅はんになります。痒みはアトピー性皮膚炎に比べて少ないですが、乾癬症状の悪化や使用している薬によっては痒い場合があります。
乾癬経過が慢性になると爪に凹凸が生じたり(爪乾癬)、関節症性乾癬や膿胞性乾癬に移行してしまうこともあります。
- 関節症性乾癬
尋常性乾癬の諸症状に加え、全身の関節に炎症、強ばり、変形などが起こり、痛む。乾癬関節症状は関節リウマチのそれと酷似しており、進行すると大変痛むものです。
代表的な部位は膝関節、指関節、手首、足首など。肋骨と胸骨の間の関節(胸鎖関節)、鎖骨と肋骨の間の関節、肩関節などに炎症が起こることもあります。また、関節炎に伴い全身の発熱をみることもあります。
全身の痒みとともに関節に痛みがあるため、睡眠が妨げられたり、風呂・トイレなどの日常的な行動にも不自由を伴う場合があり、生活の質の低下が見られます。筆記具や箸を持てなくなったり、着替えに介助がいることもあります。関節症性乾癬は必ずしも尋常性乾癬が進行して、関節症性乾癬や膿疱性乾癬となるわけではなく、いきなり関節症や膿疱が現れる場合もあります。関節症性乾癬病態の進行に関しては不明です。
乾癬の患者さんの中で1、2%の方が関節症性乾癬を罹患しています。乾癬の皮膚症状に加え、強い関節痛を伴います。痛みの生じる場所は人により違いがありますが、発症している場所によって歩行に支障を来したり、自由に物が持てないなど生活に不都合が生じることが多くあります。
関節の病気であるリウマチに似ていますが、血液に含まれている「リウマチ因子」が陰性であること、乾癬の症状が合併することから区別できます。
病院での治療方針は痛みのある関節を重点的に進めることになりますが、まだなかなか良い治療方針がないのが現状です。
- 膿疱性乾癬
乾癬の病型の中に、発熱、全身倦怠感をともない全身の皮膚に潮紅と膿疱が多発するものがあり汎発性膿疱性乾癬とよばれます。このタイプの乾癬は、炎症症状が強く尋常性乾癬と病像が相当異なり入院治療を要します。乾癬の中ではまれな病型で大体1%程度を占めます。無菌性の膿疱が皮膚内に出現する。尋常性乾癬の誤診による長期ステロイド投与で生じることがあります。またステロイドなどの治療歴にかかわらず発症することもあります。発熱などの全身症状が強いため、入院加療が必要です。膿疱性乾癬重症例では、パルスなど短期大量ステロイド投与を行うこともあります。 尋常性乾癬を発症している状態で、膿疱性乾癬を発症すると尋常性乾癬の部分以外、全て無菌性の膿疱が出るが尋常性乾癬の部分には症状が出ない例があります。
膿庖性乾癬は乾癬の中で重い病気です。治療の発達する以前には衰弱や二次感染症により死亡する例がありましたが現在では大変少なくなっています。
膿庖性乾癬は厚生省には特別研究班が措かれ、国の指定する難病(特定疾患)とされており、国の公費負担で治療を行うことができます。現在およそ900名程の患者さんが登録されています。
膿庖性乾癬には限局性と汎発性があり、前者は体の一部に膿庖を伴う皮疹が現れるもので手足だけに膿庖ができる掌跡膿庖症と診断される場合もあります。
- 滴状乾癬
滴状乾癬皮疹は乾癬に類似するが、その一つ一つが小さい。皮膚リンパ腫の前駆状態の場合があります。そのため、皮膚生検や異型リンパ球の有無を含めた精査が必要です。場合によっては、皮膚リンパ腫に準じた治療を早期に行うこともあります。
滴状乾癬の場合、1センチ以下の小さな皮疹が数多く散在する症状で尋常性乾癬に比べて鱗屑(かさぶた)の発生が少なく、発症した後、軽快していくことが特徴です。病院に受診しても他の皮膚炎と見間違うこともあり経過が良い場合は乾癬として扱われないこともあります。
小学生以下の患者さんが多いと言われていますが、成人でも発症することはあります。風邪をひいた時や季節的に急激に発症しすぐに回復することを毎年繰り返すということが多いのですが、病気が進行して尋常性乾癬に移行することもあります。また、逆に自然に治ってしまうこともあります。
- 乾癬性紅皮症
乾癬の状態が進行して通常の皮膚が見えなくなるほどの状態になり、皮膚のほとんどが赤く炎症を持った状態になります。正常な皮膚の代謝が出来なくなるため、皮膚の腫れや発熱、それに伴う倦怠感が生じます。全身症状の時には入院することがあります。
アレルギーなどの症状の悪化原因となっているものを発見することが第一優先ですが、治療方法としてとにかく炎症を抑えるための治療が必要です。
乾癬の症状
典型的な尋常性乾癬の皮疹
- 発疹:
乾癬の発疹は、全身のどこにでも出ますが、こすれる場所に出やすいという特徴があります。具体的には肘、膝、腰まわりなどです。頭も毛髪が伸びる時、毛が皮膚をこするため好発部位となります。たとえば入浴時にもあまり硬いタオルでこすることはよくありません。細いジーパンも好ましくありません。乾癬病変部は周りの皮膚よりすこし盛り上がった状態へ移行し、大きな紅色局面を形成する。これを俗にハム様皮疹を形容されて使われることがある。頭皮、膝、肘など外部からの刺激が強い部分に出来やすいが、眼球と口唇以外ならば全身どこにでも発疹が出現する。爪の表面に発症した場合は変形して凹凸や穿孔、荒れになり、爪切りすら容易な作業ではなくなることもあり、これを爪乾癬(つめかんせん)と呼ぶこともある。一方、強い発疹のわりには、他の皮膚疾患に比べて痒みが少ないことが多いです。
- 痒み:
強い痒みを伴う人もいたりするなど、乾癬症状の度合や病変部位、使用する薬剤の刺激などによって非常に多様性のある病態を形成します。
乾癬は伝染することはなく命にかかわることも全くない病気です。その一方、カンセンという語感から伝染病であると勘違いされたり、乾癬症状が皮膚へ目に見える形で現れているなどの理由で、差別やイジメの温床になりやすいです。
乾癬の検査
- Auspitz現象(アウスピッツ現象):発疹のある部分を水平に削ると、点状の出血が出現する現象。
- Kobner現象(ケブネル現象):正常な皮膚に物理的刺激を与えると、その部分に発疹が出現する現象。
- 蝋片現象(ろうへん現象):発疹の表面にある鱗屑(ガサガサ)をこすると蝋が剥がれるように剥げる現象。
- 病理検査:皮膚の一部を麻酔して採取し、顕微鏡でみる検査。不全角化、表皮突起の延長、 Munro の微小膿瘍(角層内の好中球の浸潤が原因)が特徴的。
乾癬の西洋医学治療
乾癬原因もはっきり解明されていない現状、治療法とされているものはすべて対症療法です。
- 外用療法
一般的には、ステロイド、ビタミンD3誘導体外用剤、保湿剤。
- 光線療法
この治療も比較的、初期段階が行われる治療である。
- 内服療法
外用療法が奏効しない場合や関節炎を合併した場合は、内服による治療が行われる。
乾癬の生活注意点
- 毎日の生活状態全般の改善(規則的な生活をしている)
- 睡眠時間を充分に取る(毎日夜7時間程度)
- 食生活の状態の改良
- 運動習慣の維持
- 過度のストレスの注意
乾癬は基本的に肉体的にも精神的にもストレスを溜めないことが重要です。例えば、睡眠時間を多くとる、疲労を避ける、高脂肪摂取を避けて規則正しい食事をとる、痛くて辛くても皮膚を清潔に保つなど。
外傷は新たな発症箇所を招きやすいという理由から、できるだけ怪我をしないように心がけることも重要です。これは上記に記したKobner現象に由来します。
乾癬は統計上、昭和40年前後の高度成長期を境にして患者数が増加していることから、西洋式の食文化の影響や都市生活に象徴される睡眠時間の減少、過度な労働のような、今ではごく一般的にあたりまえと思われている潜在的なストレスが背景となり、ご本人の自覚のないうちに乾癬の素因に影響を与えていることも考えられます。
乾癬の鍼灸治療法
乾癬の鍼灸治療症例と臨床経験
乾癬の鍼灸治療症例 :乾癬患者520名、男性46名、女性6名。取穴:主穴―大椎、風池、風市、血海、曲池、合穀、足三里、太沖、中脘(ちゅうかん)、天枢、人中、太陽、低周波で、針体から微電流を50分ほど流し続けます。乾癬の部位によって、局部取穴を併用します。
乾癬の鍼灸治療臨床経験 :北京中医針灸院では、多くの乾癬患者の症状を回復、或いは改善させてきました。今も多くの乾癬患者が通っていらっしゃいます。乾癬患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かく具体的な針灸治療方法で対応しています。針灸治療では、乾癬患者の生活の質と予後は比較的良好です。多くの乾癬患者は回復が可能になりました。
乾癬の西洋医学治療がすべて対症療法に対して、北京中医針灸院の鍼灸治療は根本的な治療法とは言えます。
乾癬の発疹や痒みの強い場合でも、短期間の鍼灸治療で、かなり改善されます。しかも治った乾癬患者のデータを見ますと、再発の例が少ないです。
乾癬の鍼灸治療メカリズム
鍼灸治療で、ヘルパーT細胞(白血球の一種)の増加や、Th1の亢進を抑制すると考えられます。
乾癬の鍼灸治療効果
乾癬患者520名、完治したのは280名、有効率76%。
乾癬鍼灸治療効果症例
大林さん、男性、28才、大学院生。10年前から乾癬にかかり、発疹は全身のどこにでも出ますが、特にこすれる場所に出やすく、痒みがひどいため、掻いた後、皮膚は出血し、全身が血だらけでした。その状態で、来院し、鍼灸治療を15回受けた後、毎回血だらけで捨てなければならないベットシーツを見ますと、きれいなままで、出血も痒みも止まりました。その後も治療を続けて、今は完治していました。
皮膚病の鍼灸治療
アトピー性皮膚炎 皮膚掻痒(そうよう)症 にきび 円形脱毛症 帯状疱疹 蕁麻疹 湿疹