頸肩腕症候群
頸肩腕症候群は、頸部になんらかの異常があって、神経・血管が圧迫されて、首から肩や上肢にかけての痛み、肩こり、しびれ感が出てきます。以前は、これらの症状があっても、原因のはっきり分からないものが多かったため、これらの症状をもつものを総称して、頸・肩・腕症候群と呼んでいました。頸部椎間板ヘルニア、変形性頸椎症、胸郭出口症候群や五十肩もこのなかに含まれていたのです。しかし、医学の進歩により、それぞれの原因が解明され、その原因に基づいた病名がつけられるようになりましたので、頸・肩・腕症候群という病名は、ほとんど使われなくなりました。
ところが、1960年代からの産業の技術革新により、作業の機械化にともなう単純くり返し作業が広く導入されるようになって、頸・肩・腕を中心とする痛み、こり、しびれを訴える労働者が増加して社会問題となりました。
そこで、産業衛生学会が、上肢作業に従事することによって頸・肩・腕の痛み、こり、しびれをきたす疾患を「頸肩腕障害」と定義したため、再びこのあやふやな名前が使われ出したのです。これは一種の神経性疲労疼痛症候群で、キーパンチャー障害、レジスター障害などが含まれます。
腕を浮かせた姿勢で、長時間キーをたたく動作を繰り返す作業で、頚・肩・腕の自発痛、運動痛、こり、脱力感、しびれ感などの共通した自覚症状があらわれ、この自覚症状が強いわりには、他覚症状が少ないことが特徴です。
頸肩腕症候群の鍼灸治療症例:頸肩腕症候群120名。取穴:風池、風府、大椎、肩髃(けんぐ)、天宗、風門、肺兪、後渓、曲池。電気針、20分間後、吸い玉20分間。
頸肩腕症候群の鍼灸臨床経験:頸肩腕症候群の治療では、鍼灸治療が一番効果的です。欧米でも、人気が高く、年間数百万の頸肩腕症候群患者が鍼灸治療を受けています。私は整形外科医として4年間勤めました期間中、頸肩腕症候群患者を鍼灸で、治してきました。その治療効果にたびたび感動されてきました。
頸肩腕症候群の鍼灸治療では阿是穴、背中のツポなどはみんな効果がありますが、針はあまり浅くすぎると効果がないです。しかし、あまり深いと気胸になりやすく、要注意です。
頸肩腕症候群患者の圧迫された神経・血管を解除し、交感神経と迷走神経のバランスを調節しながら、血管及び心臓をコントロールします。局部に血液、リンパの流れる量や免疫細胞の量を増やし、炎症したところの老廃物を消去し、凝りの元である炎症組織を修復します。
頸肩腕症候群120名、完治したのは89名、有効率85%。