心身症
心身症は心理的な背景があって、からだの病気の症状が出てくる状態です。
心身症として、あきらかな病気のかたちを示さないで、頭痛や腹痛などの身体症状のうったえを起こすことが多いのが特徴です。
子どもでは、心身の関係が未熟、未分化なため、心理的ストレスによって容易に身体症状や行動の異常があらわれやすくなっています。したがって、大人以上にこころとからだは一体で、からだの心配だけではなく、こころを見守ることも重要です。
学童期に、精神的ストレスで頭痛が起こることがあります。勉強がストレスになったり、友人関係のトラブルなどで登校したくない、塾やクラブ活動が負担になるなど、いやなことをする前になると痛みが強くなる傾向もあります。
神経質だったり、自分の気持ちを伝えられない子に多く、子どもの悩みや負担を減らしてあげることが必要です
幼稚園から小学校低学年にかけた子どもが、急におへそのまわりを中心にしたおなかの強い痛みをうったえ、10分前後でおさまります。この痛みをくり返します。原因は、精神的緊張、不安、欲求不満などの心理的要因で起こることが多いので、原因を除き、安心感を与えるようにします。
腹痛とともに下痢や便秘をくり返すものです。中学生前後に多くみられます。慢性的になっていることも多く、ストレスで症状がわるくなります。
症状により整腸剤、痛みどめをのみ、心理療法をおこないます。
突然、深呼吸をくり返す過換気発作が起こり、二酸化炭素が減ることによりからだがアルカリ性に傾き、いろいろな症状が出ます。10〜30代の女性に多くみられます。心身症ですが、ヒステリーの症状としても出現します。
呼吸困難、動悸、胸が締め付けられるような感じがして、過換気を続けることにより、手足のしびれ、頭痛、意識がボーッとしてきて失神するなどの症状があらわれます。発作時は、紙袋を口に当て、二酸化炭素が減るのを防いだり、抗不安薬をのんだりします。発作がないときに心理療法や環境の調整をおこないます。
心身症の原因として性格的な面がいわれています。人はストレスに遭うと、自律神経系のはたらきに影響が出ます。ストレスには、一時的なものと持続的なものの両方がありますが、どちらの場合も神経系のはたらきを介して内分泌・循環器・消化器などに影響が出ます。そのような場合、通常はストレスをうまく処理して臓器に障害が出ないように適応できています。
その処理の1つが感情の発散ですが、心身症になりやすい人は、そのような感情面の処理がへたな人が多いのです。このような性格は失感情症(アレキシチミア)と呼ばれています。また心身症になりやすい人は、周囲に合わせてしまう傾向があります。時に適応しすぎのようにみえることもあります。つまり、持続的にストレスを受けてしまうような傾向にあります。
以上のような性格の人が、ストレスの強い環境に長くいることで心身症が発生すると考えられています。
くり返しますが、なんらかの身体の病気があって、その原因や経過に心理的な要素が深く関係している場合に心身症といわれる状態になります。したがって、以下の病名がすべて心身症であるということではありません。
心身症鍼灸治療症例 :心身症患者60名。過換気症候群8名、過敏性腸症候群12名、反復性腹痛18名、心因性頭痛22名。取穴:夾脊穴(大椎の両側0.5cmのところ、大椎からおしりまでの間)に刺し、捻針します。
心身症鍼灸臨床経験 :心身症など機能性疾患の場合、鍼灸治療では、神経の働きをよくし、西洋医学の不得意な分野では、立派な効果をえることができます。
心身症患者の自律神経のバランスを正常に戻します。
心身症患者60名、完治したのは53名、6名は薬物併用で完治、1名効果ありませんでした。