子宮筋腫
子宮の構造 子宮筋腫は子宮にできるこぶのことで、すこし専門的にいうと、子宮の筋組織からできた良性腫瘍のことです。
子宮筋腫の種類には、こぶ(筋腫)が子宮のどこにできるかにより、漿膜下筋腫、壁内筋腫、粘膜下筋腫に分けられます。漿膜下筋腫は子宮の表面に筋腫ができたものであり、壁内筋腫は子宮の壁の中に、粘膜下筋腫は子宮の内面(内膜)に筋腫ができたものです。こぶの数は必ずしも1つに限らず、多数の筋腫がるいるいと生じることもあります。
30〜40代の女性に多く、女性ホルモン(エストロゲン)との関連が疑われていますが、正確にはよくわかっていません。女性ホルモンが出なくなる閉経後は、筋腫は大きくなりません。むしろ小さくなることが多いです。
過多月経と月経困難症が代表的な症状です。過多月経のために貧血になることが多く、健康診断などで、それがきっかけで子宮筋腫が見つかることもまれではありません。月経困難症はその次によくみられる症状ですが、どちらかというと子宮腺筋症に、より多くみられます。
筋腫の大きさですが、大きいものでは、大人の頭ぐらいになるものもあり、これほどになりますと、自分で下腹部にこぶ(腫瘤)を触れるようになります。筋腫の圧迫により、便秘や、頻尿がみられることもあります。
内診と超音波で診断をつけます。超音波診断装置を使うことにより、むかしに比べていっそう、その大きさ・形状などが正確に診断されるようになりましたが、時には卵巣腫瘍などとまちがえられることもあります。最近はMRI検査により、いっそう正確な診断が可能になりました。
(1)子宮筋腫の発生する子宮の部位によって次の3種類を区別する。
(2)子宮筋腫はつねに子宮筋層に発生し、抵抗の比較的少ない方向に向かって発育するものであるが、筋腫結節の存在する場所およびその発育の方向によって粘膜下筋腫、筋層内筋腫(壁内筋腫)および漿膜下筋腫の3種類に分類されます。
| 粘膜下筋腫 | |
![]() |
子宮内膜直下(子宮の内側)に発生し子宮内腔に向かって発育する。発生頻度は少ないですが、たとえ筋腫結節が小さくても過多月経や月経痛などの症状が強いことが多いです。 |
| 筋層内筋腫 | |
![]() |
子宮壁筋層内に発生し、筋層内に発育して、子宮壁筋層の中に囲まれています。子宮筋腫中もっとも多い種類です。 |
| 漿膜下筋腫 | |
![]() |
子宮漿膜直下(子宮の外側)に発生した筋腫で、子宮の表面(漿膜面)に向かって発育する。たとえ筋腫が大きくても筋腫特有の症状は無いか、あるいはあったとしても軽い場合がほとんどです。 |
| 子宮頸部筋腫 | |
![]() |
左の丸い筋腫は子宮頸部に発生している子宮頸部筋腫ですが、このような例は少数です。上の3症例は全て子宮体部筋腫であり、大部分の筋腫は体部筋腫です。 |
筋腫結節の位置、大きさ、数などにより症状は異なります。しかし全く無症状のこともあります。もちろん、全ての子宮筋腫が治療を必要としているわけではありません。漿膜下筋腫の場合には治療の必要がないことが多いです。
| 1 | 過多月経 不正出血 |
1,2,3は子宮筋腫の3主要症状です。過多月経(生理の出血量が多いこと)や月経痛は粘膜下筋腫の場合に強いことが多いです。生理量が多いことにより、結果的に慢性失血性の重症貧血になり、全身状態の悪化をきたす例もあります。また、筋腫が存在することにより子宮内腔の変形や卵管狭窄、あるいは子宮内膜の循環障害(血のめぐりが悪いこと)による着床不備をきたす場合もあり、不妊や流産の原因に成る場合もあります(特に粘膜下筋腫の場合)。 |
| 2 | 月経時疼痛 | |
| 3 | 不妊 | |
| 4 | 腫瘤感 | 筋腫がある一定以上の大きさになると、下腹部が膨隆し、患者さん自身が「しこり」として触知可能になります。 |
| 5 | 圧迫症状 | 筋腫がある一定以上の大きさになると、子宮周辺臓器への圧迫症状が出現する場合もあります。膀胱の圧迫により頻尿、排尿痛を引き起こしたり、ときには尿閉の原因にもなります。また直腸などの腸管を圧迫すると便秘の原因にもなります。 |
| 6 | 疼痛 | 頻度は少ないですが、粘膜下筋腫の感染、子宮筋腫結節の循環障害による変性、有茎性漿膜下筋腫の茎捻転などの場合には激痛を呈する時もあります。有茎性漿膜下筋腫とは子宮漿膜面に茎を持った漿膜下筋腫で、この茎を軸として子宮筋腫自身がねじれることがあり、激しい痛みを伴います。 |
| 7 | 帯下 | 粘膜下筋腫のさいに帯下を認めることがあります。特に感染や壊死があると膿性あるいは血性帯下が増量し、疼痛を訴えたり発熱を見ることもあります。特に筋腫分娩の祭にはその可能性は高くなります。 |
| 8 | 全身症状 | 子宮出血が高度でしかも長期間におよぶと慢性貧血の原因となります。さらには動悸や息切れ、全身倦怠感などの全身症状を呈し、心臓に負担がかかることもあります。 |
子宮筋腫鍼灸治療症例 :子宮筋腫患者94名、取穴:子宮、中極、気海、関元、天枢、腎兪、次髎、足三里、三陰交、陰陵泉、太沖。電気針。子宮に間接灸9壮。
子宮筋腫鍼灸臨床経験 :子宮筋腫では、手術以外の保存療法として、中国では、鍼灸がよく選択されています。当院でも、多くの子宮筋腫治療に事績を上げています。
女性ホルモンの分泌を抑え、筋腫を吸収させると考えられます。
子宮筋腫患者94名、筋腫が完全になくなったのは51名でした。
@気滞型:膈下逐瘀湯
A血瘀型:少腹逐瘀湯
B痰湿型:開郁二陳湯
C湿熱血瘀型:清熱調血湯
膈下逐瘀湯[処方]當歸9、桃仁6、甘草3、紅花3、川芎6、牡丹皮6、赤芍6、烏藥9、五靈脂9、香附9、枳殼6、延胡索6
少腹逐瘀湯[処方]當歸9、蒲黃6、赤芍6、五靈脂9、川芎6、肉桂6、沒藥6、延胡索9、乾薑3、小茴香6
開郁二陳湯処方]陳皮9、茯苓15、蒼朮9、香附9、川芎9,法半夏9、青皮9、莪朮9、檳榔9,甘草3、木香9,乾姜6。