おりもの(帯下)
おりもの(帯下)は、女性の性器から出るさまざまな分泌液の集合体で、子宮内膜の粘液、子宮頸管の粘液、腟粘膜の分泌液や、はがれ落ちた古い細胞、バルトリン腺や皮脂腺、汗腺からの分泌液といったものが混じり合ってできています。
おりもの(帯下)の量は個人差がありますが、年齢によっても違い、思春期にはほとんど分泌されず成熟するに従って多くなります。そして更年期になると減り始め、老齢期にはほとんど分泌されなくなります。成熟期の健康な女性の普段のおりものの量は、膣の内側を潤し、膣口からほんの少し流れ出て下着につくくらいです。「10人の女性のうち9人は帯下(おりもの)を持つ」といわれていますが、現代では「10人の女性のうち10人は帯下(おりもの)を持つ」というほどまでになっておりので、おりもの(帯下)は、非常に一般的な現象です。
おりものの役割としていちばんにあげられるのは、「雑菌が腟の中に入るのを防ぐ」はたらき。これを、「自浄(じじょう)」といいます。腟口は、肛門の近くにあり、大腸菌などの雑菌が侵入しやすい環境となっています。そこで自衛のために分泌されるのがおりもので、いわば目を守っている涙と同じようなもの。おりものは、腟内を酸性に保つことで、雑菌の侵入を防いでいます。
また、排卵期のおりものには、「授精を助ける」はたらきがあります。ふだんは酸性に保たれている腟内ですが、この頃は子宮頸管からの粘液が増え、アルカリ性に傾きます。そのため、アルカリ性を好む精子が進入しやすい環境に変わるのです。
おりもの(帯下)は、膣から出る液体で、正常なものと病的なものがあります。
透明、乳白色のおりもの。おりものは、いつも多少はあるもの
です。量や性質には個人差が大きく、年齢や体調によっても変化します。色:透明ないし乳白色、クリーム色で、いずれの場合も下着について乾くと黄色っぽくなります。
量:ほとんど感じないという人から、下着を通して洋服までしみ出してしまうほど大量に出るという人まで、さまざまです。汗かきの人とそうでない人がいるように、おりものの量には、とくに大きな個人差があります。妊娠可能な年齢にある女性では、おりもの(帯下)の量や性状は月経周期とともに変化します。たとえば、月経周期の中ごろ(排卵期)のおりもの(帯下)は通常よりも量が多く、さらさらになります。妊娠、経口避妊薬の使用、性的興奮によっても、おりもの(帯下)の量や性状は変わります。閉経以降はエストロゲン濃度の低下に伴い、多くの場合おりもの(帯下)の量は減少します。
以下のようなおりもの(帯下)は異常と考えられます。
おりもの(帯下)は腟の炎症(腟炎)によってもみられることがあります。腟炎の原因としては、腟のかゆみと同様に化学物質による刺激、感染症があります。殺精子剤、腟用の潤滑剤やクリーム、避妊用のペッサリーなどによっても腟や外陰部が刺激されて炎症を起こすことがあります。ラテックスアレルギーがある場合は、ラテックス製のコンドームが刺激の原因になります。女児では腟内に入った異物によって炎症が起こることがあり、この場合はおりもの(帯下)に血液が混じることもあります。異物の多くはトイレットペーパーが腟内まで入ってしまったものですが、ときにはおもちゃなどの場合もあります。 悪臭や生臭いにおいを伴い、白色、灰色、黄色みを帯びた色の濁ったおりもの(帯下)は、たいていは細菌性腟炎によるものです。濃くて白いカッテージチーズ状のかたまりを伴うおりもの(帯下)は、カンジダ症が原因で生じます。ときに悪臭があり、緑がかった黄色の泡状の濃いおりもの(帯下)は、トリコモナス症が原因で生じます。 血液の混じった水っぽいおりもの(帯下)は、腟、子宮頸部、子宮内膜の癌が原因で生じることがあります。骨盤部の放射線療法によっても異常なおりもの(帯下)が生じることがあります。
正常時の膣の分泌液と区別がつきにくいが、分泌量が多いと子宮頸びらんや、卵巣機能失調ということもあり、主に閉経後、女性ホルモンが欠乏する事でおこる。膣は次第に萎縮し薄くなり、乳酸菌が減少する。症状は水状の悪臭のある分泌物があり、女性ホルモンなどの薬物を使用することによっておこる。
これは連鎖球菌感染、つまり細菌性膣炎に特有のおりものであり、外陰部に痒みがあったり、ひりひりとした痛みがある。
化膿性の細菌が感染することによりおこり、老年性膣炎、膣内に異物が入った時や慢性子宮頸炎、子宮内膜炎や子宮に膿がたまった患者によく見られる。もし、膣の分泌物が黄色く膿のようで泡状のものもあったり、外陰部に痒みがある時には「トリコモナス膣炎」と考えてみる必要がある。
性交時に出血がある時には、まず悪性腫瘍の可能性がある。だいたいにおいて、重度の子宮頸摩爛や子宮頸腫瘍、子宮頸癌などが考えられるので警戒が必要だ。
病変組織が壊滅したり変性することによりおこるもので、例えば、子宮粘膜下の筋腫が膣内に取れ、落ちてしまった時などである。
| おりものの色/形状/ニオイ (そのほかの症状) |
考えられる病気 |
|---|---|
| 白、黄色/カッテージチーズ状/悪臭 (膣や外陰部のかゆみ) |
カンジダ膣炎 |
| 白、黄色、茶褐色/うみ状/悪臭 (膣や外陰部に熱を持つ) |
細菌性膣炎 |
| 白、黄色、茶褐色/粘液状/場合によって悪臭 (かゆみ、下腹部痛、不正出血) |
クラミジア感染症 |
| 黄色/うみ状/悪臭 (外陰部の痛み、腹痛) | 淋(りん)菌性膣炎 |
| 黄色/泡が混じる/悪臭 (外陰部のかゆみや痛み) |
トリコモナス膣炎 |
| 黄色/うみ状/悪臭(不正出血) | 萎(い)縮性膣炎 |
| 黄色/泡が混じる/悪臭 (外陰部のかゆみや痛み) |
トリコモナス膣炎 |
| 黄色/うみ状/悪臭(不正出血) | 萎(い)縮性膣炎 |
おりもの(帯下)の異常がみられる場合、医師は、おりもの(帯下)の性状、年齢、他の症状からその原因を判断します。おりもの(帯下)を少量採取し、顕微鏡で検査して感染の有無や、感染がある場合にはその原因菌を調べます。治療は原因によって異なります。特定のクリーム、パウダー、せっけん、女性用の衛生スプレー、コンドームなどによって持続的なかゆみが生じている場合は、その使用を中止すべきです。
おりもの(帯下)鍼灸治療症例 :おりもの患者さん28名、取穴:環跳、膈兪、胆兪、関元、三陰交、隠白。電気針。
おりもの(帯下)鍼灸臨床経験 :原因疾患の治療が必要です。正常なおりものは、特に排卵や月経前後によく分泌され、治療の必要はない。もし、むやみに抗生物質などの薬を服用して細菌を殺してしまうと、かえって連鎖球菌が入りやすくなるし、やたらと膣を洗浄することも本来の膣の生態を壊してしまい、悪性の菌が良性の菌を駆除してしまい、外から侵入してきた病原菌が骨盤膣内に入り、骨盤膣炎をおこすこともあるので必ず注意が必要です。
おりもの(帯下)患者さんの免疫機能を高め、消炎効果を発揮し、女性ホルモンの分泌量に影響を与えると考えられます。
おりもの(帯下)患者さん28名、完治したのは20名でした。