月経前症候群(PMS)
月経前症候群(PMS)とは、月経の2週間ないし1週間位前からおこり、月経開始とともに消失する、周期性のある一連の身体的、および精神的症状を示す症候群といいます。月経の前に体や気持の調子が悪くなり、次の生理の始まりとともに自然に軽快するいろいろな症状の集まりのことをいいます。月経前症候群(PMS)は、月経の前に起こる一群の身体的、精神的症状ですので、多くの女性は月経前数日、様々な不快を感じます。腰痛、腹痛、頭痛、むくみ、悪心、食欲不振、乳房の緊張などの症状が現れます。また、精神的に不安定になって、落ち込んだり怒りっぽくなったりすることも多いです。月経前症候群(PMS)は、気分の悪さ、刺激に対する過敏性、腹部の張り、乳房の圧痛など、あまりに多くの症状と関連づけられているため、明確な定義や診断が困難になっています。
ストレスは月経前症候群(PMS)に影響を及ぼすものであることは明らかです。月経前症候群(PMS)を自覚する女性のうち、特に精神症状が重いと訴える女性は、もともとストレスへの抵抗が弱く、ストレスがPMSの症状を悪化させ、また、PMSがストレスを増長させるという悪循環に陥ることが多いです。 ストレスの蓄積は、脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌を低下させます。黄体期後期にはセロトニン分泌低下がみられます。 ストレスが、セロトニン欠乏状態に拍車をかけ、更に精神的症状を悪化させます。
月経前症候群(PMS)は女性の20〜50%にみられます。妊娠可能年齢にある人の約5%にみられる特に重いタイプの月経前症候群(PMS)を、月経前不快気分障害といいます。
月経発生場所の子宮壁最内層は、子宮内膜と呼ばれる特徴的な粘膜層で、卵巣が分泌するホルモンの影響を特に強く受ける部位です。ヒトの女性では月経周期に伴って周期的な変化をすることが知られます。排卵したが、その卵が授精しなかった場合、この子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに子宮口経由して体外に排出されるのが月経です。そのため妊娠すると、出産の数ヶ月後まで月経は停止します。月経は、思春期に始まり(初潮)、個人差はあるが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常3〜7日間続きます(正常月経周期:25〜38日)。この月経の前に発生する症候群(PMS)は黄体ホルモンの影響によると考えられます。
1.ホルモンの急激な変動:
月経前症候群(PMS)が起こる原因は、1つには月経周期中にエストロゲンとプロゲステロンの濃度が急激に変動するためと考えられています。また、一部の女性ではプロゲステロンの分解過程が通常と異なり、このために月経前症候群(PMS)が起きている可能性があります。プロゲステロンが分解されると通常は、気分に対して正反対の作用をする2つの成分が生じます。月経前症候群(PMS)のある女性は、不安を軽減する成分が少なく、不安を増強する成分が多く生じるます。
2.βーエンドルフィン低下:
脳の中で分泌されモルヒネ様の作用があるβーエンドルフィンという物質が月経の前になると急激に低下する。その結果うつ状態になりやすいです。
3.セロトニンが低下:
脳内に神経刺激を伝達する作用をもつセロトニンという物質があります。セロトニンは神経線維の末端から分泌され、神経情報を伝達する役割を担っています。月経の前にはこのセロトニンが低下することが知られています。この月経前のセロトニンの低下は精神症状が出る原因ではないかという説も最近は有力視されています。
4.水分貯留:
排卵した後に卵巣から分泌される黄体ホルモンという女性ホルモンにより体に水分が貯まりやすくなり、その水分貯留がいろいろな症状を出す原因となります。
月経前にイライラする、気分が沈んでしまう、からだの具合が悪くなるというような症状は、 女性の約80%の方が経験しています。 このような、排卵から月経開始までの時期に現れる身体的、精神的不快な症状を月経前症候群(PMS)といいます。
月経前症候群(PMS)症状の種類や強さは人によって異なり、また同じ人でもそのときどきで異なります。さまざまな身体的、精神的症状が現れることで、一時的に生活に影響が出ることがあります。
月経前症候群(PMS)症状は月経の数時間から約14日前に始まり、月経が始まると消失します。閉経に近い人では月経中や月経後も症状が続くことがあります。月経前症候群(PMS)は月経困難症を伴うことが多く、特に10代の女子に多くみられます。
月経前症候群(PMS)の症状が出ているときには、他の病気の症状も悪化することがあります。たとえば、けいれん性疾患のある人では、発作の回数が普段より多くなることがあります。全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの結合組織疾患がある人では症状が急激に悪化することがあります。呼吸器障害(鼻や気道のアレルギー、うっ血など)や、眼の病気(結膜炎など)が悪化する人もいます。
月経前不快気分障害では、仕事や社会生活、人間関係に影響が出るほど重い症状がみられます。
月経前症候群(PMS)診断は症状に基づいて行います。診断を確定するために、毎日の症状を記録するよう指示されます。記録をすることで、患者は自分自身の体調や気分の変化を認識するようになり、医師が最善の治療方法を判断する助けにもなります。月経前不快気分障害の診断には、少なくとも月経周期2回分の症状を記録する必要があります。月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害の症状は月経が始まるとすぐに消えることから、うつなどの気分障害と区別できます。
| 身体的症状 | 精神的症状 |
|---|---|
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月経前に、体重が1〜3キロ増え、月経開始後に体重が元に戻るという現象も、体内水分量の変化によるものです。水分の貯留する場所は、女性によって、また年齢やそのときどきにより様々で、自覚する症状も異なります。広範囲の水分貯留は、身体がだるくなる、指輪がきつくなる、腹部膨張感といった症状が生じます。内耳の組織に水分が貯留すれば、眩暈が生じます。眼球に入り込んだ水分は眼圧を高くし、目に激しい痛みが生じます。頭蓋骨の隙間に貯留すれば、頭痛が生じます。乳房組織への貯留は、乳房の張りや痛みが生じます。椎間円板に貯留し、背中が痛くなることがあります。 筋肉や関節組織に貯留し、全身に鈍い痛み、関節痛を引き起こすことがあります。 脳細胞に水分が入り込み、脳が浮腫むため、精神症状が現れることもあります。その他、歯肉が腫れる、コンタクトレンズが合わなくなる等の症状もあります。
月経前症候群(PMS)の精神症状のひとつは抑うつ”です。 突然気分が沈み、孤独感や絶望感、自責的思考が強くなり、重度の場合は、自殺企図がみられます。月経前症候群(PMS)による抑うつは、うつ病とそれぞれの原因は異なり、うつ病の女性が月経前に症状が悪化する月経性愁訴とは区別する必要があります。
月経前症候群(PMS)の女性は、月経前になると突然の気分の変化がします。月経前症候群(PMS)中の衝動的な気分の変化は普段は明るく温和な女性であっても、突然いらだちが出ます。
月経前症候群(PMS)の女性は、月経前になると、食べたくてたまらない気持ちになったり、実際に過食になります。体がふらふらするような感じ、手足がしびれたような感じになることがあるかも知れません。 これらは、血糖値の低下と関係があります。月経前症候群(PMS)の女性は、長時間食事をしないでいることに耐えられません。
月経前症候群(PMS)による抑うつは、月経前症候群(PMS)の症状のひとつでしかなく、月経前症候群(PMS)の女性全てに現れるものではありません。 一方、うつ病は、ひとつの病気であり、男女、年齢に関係なく、起こり得ます。
| 月経前症候群(PMS) | うつ病 |
|---|---|
| 生理との関係:あり | 生理との関係:なし |
| 全身症状:食欲増大、体重増加。 パラ月経期後、最短でも排卵期まで |
全身症状:食欲減退、体重減少。 無気力。やる気ない。 |
| 睡眠の症状:眠りたいという気持ちが強く、ベットの中で過ごす時間が長い。 | 睡眠の症状:睡眠障害 |
月経前症候群(PMS)は、排卵のある(妊娠が可能な)女性であれば、誰にでも起こり得る症状です。 決して、特別なものではありません。しかしながら、月経前症候群(PMS)は、月経の周期ごとに反復して現れるのですから、非常にわずらわしいものでもあります。 また、症状の度合いも個人差が激しく、症状が現れても、それほど気にならない程度の人もいれば、 逆に日常生活でさえも困難になってしまう人もいます。 このように極端に重度の症状が現れるものを月経前不機嫌性障害(PMDD)といい、適切な治療が必要であるとされています。
卵子を育て、子宮の内膜を増殖させる働きをします。からだ全体にも作用し、コレステロールを抑え、お肌の新陳代謝を促します。この時期の女性は、心身ともに活発になり、精神的に落ち着いています。
妊娠をサポートするホルモンともいわれ、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に保ちます。排卵後、卵巣に残った卵胞は、黄体と呼ばれる組織に変化し、そこから黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。プロゲステロンには、からだに水分を保持したり、食欲を増進させる働きがあります。この時期の女性は、身体的不調を感じ取り、精神的にも落ち着きがなくなります。
月経前症候群(PMS)鍼灸治療症例 : 月経前症候群(PMS)患者65名、取穴:太沖、安眠、脾兪、三陰交、大椎、百会、関元、気海、中脘「チュウカン」、腎兪、合穀、足三里。
月経前症候群(PMS)鍼灸臨床経験 :月経前症候群(PMS)を治療する上で大切なポイントの一つは、患者さん御自身が月経前症候群(PMS)のことをよく知るということです。これらの症状が月経前症候群(PMS)であると自ら認知するだけでも安心できます。決して過剰に思い込まないことです。そして、鍼灸治療で、月経前症候群(PMS)は完治ができることです。鍼灸療法では、副作用もなく、確実に月経前症候群(PMS)症状を治していきます。西洋医学で治らない婦人科系疾患には、選択すべきです。
女エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動を抑制すると考えられます。
月経前症候群(PMS)患者65名、完治したのは45名、有効率81%。
大塚さん、31歳、OL、渋谷区在住。2年前から、月経約14日前に突然気分が沈み、孤独感や絶望感、自責的思考が強くなり、腹部の張り、下腹部のけいれん痛、圧迫感を感じますが、月経が始まると消失します。病院で月経前症候群(PMS)と言われ、薬を飲み続きましたが、一向良くならない。当院に13回の鍼灸治療を受け、翌月から精神的な症状がなくなり、さらに12回の治療で、腹部の張り、下腹部のけいれん痛、圧迫感もなくなり、生理前も身体は快適を感じます。「今は、先生が治療してくれる前より、ずっと元気ですよ」と嬉しくおっしゃりました。