関節炎
関節炎は関節の中に炎症が起こることです。関節炎は年齢に関係なく、罹る病気です。症状の軽いものから、重いものまでさまざまです。
関節炎には細菌感染、免疫異常、変形などがあります。
黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌など細菌によって、関節内が化膿する病気です。体のどこかで感染症を起こしている黄色ブドウ球菌や連鎖球菌・肺炎球菌などの細菌が、血流にのって関節内に流れ込むことで発病してしまいます。また、関節の近くで発症している骨髄炎の菌が原因になることもありますし、関節まで達するような深い傷を受けた場合には、その時に感染してしまうこともあります。関節の中まで達するような深い傷を受けた場合か近くの骨の骨随炎が原因となることもあります。
結核性関節炎は、肺結核などの結核菌が原因で起こる病気です。この結核菌が血液を通して関節に入り込み、炎症や関節痛などの痛みを引き起こしてしまいます。
現代では、衛生環境なども昔と比べ格段に良くなってきているので、患者さんはあまり多くないのですが、体の抵抗力が落ちてきている高齢者は注意が必要です。また、糖尿病の方が結核性関節炎にかかると治りにくい傾向があります。
リウマチが原因で、全身の関節に炎症が起こるものです。慢性関節リウマチは、関節局所だけの病気ではなく、全身性の病気です。発病期には、微熱、疲労感などの全身症状とともに、手指、足の小関節の紡錘状のはれと痛みが、必ず左右対称性に起こってきます。この関節の症状は朝起きたときに強く、こわばった感じがし、動かしているうちに楽になるのが特徴です。原因については、遺伝も関係し、ウイルス感染などが契機となって起こる免疫異常という説が、有力です。
膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて、痛みなどが起こる病気です。膝関節や股関節などの体重を支えている関節に痛みが出ることが多く、老化、肥満、激しい運動や、あるいは化膿性関節炎などほかのほかの関節疾患の後に起こる、関節軟骨の変形が原因です。炎症性ではありませんから、厳密に言えば関節炎ではありませんが、関節に痛みが出る点では同じです。
化膿性炎症を起こしている関節が、激しく痛みます。痛みのために関節を自由に動かす事も出来ません。感染性関節炎のリスクがあるのは、関節リウマチ、変形性関節症、外傷(外傷性関節炎)などで関節に異常のある人が、血流に感染を起こした場合などです。たとえば、肺炎や敗血症のある高齢者が転倒して手首を痛め、関節内への出血が起こると、感染性関節炎を発症することがあります。 関節炎原因菌(主に細菌)は通常は血流を介して関節内に入りこみますが、手術、注射、外傷によって直接関節内に入り感染することもあります。多種多様な細菌によってこの感染症は起こりますが、年齢によって感染しやすい細菌があります。ブドウ球菌やグラム陰性桿菌のような細菌は乳児や年少児に感染しやすいのに対して、年長児や成人では淋菌(りんきん)、ブドウ球菌、レンサ球菌の感染を起こしやすい傾向があります。ライム病や梅毒を引き起こすスピロヘータと呼ばれる細菌も関節に感染することがあります。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やパルボウイルス、風疹、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、B型肝炎の原因ウイルスなどは、年齢を問わず関節への感染を起こすことがあります。慢性感染性関節炎はゆっくりと進行し、その多くは結核菌や真菌の感染が原因で起こります。
症状:関節は赤く腫れ、熱をもちます。全身が発熱したり、からだがだるくなることもあります。炎症を起こした関節では、関節内に液がにじみ出て多量にたまった状態になります。これを関節水腫といいます。化膿性関節炎では膿が混じっています。
乳児では発熱、疼痛があり、ぐずりがちになります。乳児は一般に感染した関節を動かさなくなりますが、これは動かしたり触れたりすると患部が痛むためです。年少児が膝(ひざ)関節や股関節に感染を起こすと、歩かなくなることもあります。年長児や成人では突然症状が現れます。感染した関節には発赤や熱感が生じ、動かしたり、さわると激痛を生じます。関節に水がたまり、腫れやこわばりが生じます。また、発熱や悪寒も認められます。これに対し、結核菌や真菌による慢性感染性関節炎では痛みや発熱があっても通常は程度が軽く、症状がはっきりしません。膝、肩、手首、ひじ、指の関節や股関節は、高頻度に感染性関節炎を起こします。細菌、結核菌、真菌などは多くの場合1つの関節だけに感染しますが、ときには同時にいくつかの関節に感染することもあります。たとえばライム病の原因菌は両膝の関節に感染を起こすことが多く、淋菌やウイルスは、2〜3カ所または多数の関節に同時に感染することがあります。
診断:化膿性関節炎の診断については、血液検査とX線検査が基本です。血液検査で白血球の数や、赤血球沈降速度(赤沈)の亢進、C反応性蛋白(CRP)の陽性などで炎症の診断をします。また、それと同時にX線やMRI検査で関節の内部を調べ病変部の範囲を確認します。関節に針を刺す関節せん刺を行って関節液を採取し、化膿菌が検出されれば化膿性関節炎と診断されます。ただし、化膿菌が検出できない場合もありますので、注意が必要です。
通常は関節液のサンプルを針で採取し、白血球数と細菌やその他の原因菌について調べます。直近に抗生物質を服用していた人以外ではほぼ確実に、関節液を培養して感染菌を同定できます。ただし、淋病、ライム病、梅毒の原因菌のように、関節液を培養しても検出しにくいものもあります。原因菌が培養できた場合は、どの抗生物質が有効かも調べます。
関節炎の原因菌はしばしば血流からも検出されるので、血液検査も行います。また唾液、脊髄(せきずい)液、尿の検査も、原因菌の同定に役立つことがあります。
結核性関節炎にかかった場合は、関節の腫れや痛みなどの症状が出ますが、化膿性関節炎ほどはありません。関節が腫れたり痛んだりしますが、化膿性関節炎よりは軽い症状で、患部に熱をもつこともありません。股関節や膝関節に起こった場合、初期には歩くときに足を引きずります。疲れやすくなり、筋肉が痩せて体重も減ります。
診断は化膿性関節炎や、その他の慢性に移行する関節炎との識別が重要です。関節液の中に結核菌が存在しているか、また、滑膜を採取して病理組織検査などによって確認します。関節せん刺で採取した関節液の中に結核菌の有無、あるいは関節鏡で採取した滑膜の病理組織検査によって確実に診断することができます。
慢性関節リウマチは、関節局所だけの病気ではなく、全身性の病気です。発病期には、微熱、疲労感などの全身症状とともに、手指、足の小関節の紡錘状のはれと痛みが、必ず左右対称性に起こってきます。この関節の症状は朝起きたときに強く、こわばった感じがし、動かしているうちに楽になるのが特徴です。関節が赤く腫れて痛みますが、午後にはやや軽快するのがふつうです。はじめは手足の指の関節に炎症が起こることが多く、手の指は関節部分がふくらんでその両端が細い紡錘状に腫れ、やがてその小指のほうに曲ったり、白鳥の首のような形に変形したりします。足の指では、親指が外側に曲ったり、その他の指の変形もみられます。病気が進むにつれて、しだいにからだのあちこちの関節にも症状が出て、変形や関節水腫がみられるようになります。慢性関節リウマチは、関節の障害が日常生活をいとなむうえに及ぼす影響によって4つの段階(クラス)に分けられます。健康人と同様のときクラス1、少数の関節の運動制限があってもふつうの活動ができるときクラス2、ふつうの作業や身のまわりの用を足しにくくなったときクラス3、寝たきりか、または車椅子を利用しなければならなくなったときクラス4といいます。いっぽう、関節の破壊の程度を客観的に判断するために関節のX線写真を参考にして、4つの病期(ステージ)に分けます。X線で関節の変化のみとめられないときステージ1、関節と関節の間隙が狭くなっているときステージ2、骨のびらんがみとめられるときステージ3、関節が強直した像を呈するときステージ4と診断します。
慢性関節リウマチのすべての例がクラス4の高度の身体障害にまで進んでしまうわけではなく、治療により、あるいは自然の経過によって関節症状の進行のとまることも少なくありません。15歳以下の関節リウマチは、特に、“若年性関節リウマチ”と呼ばれ、その発病が急で、強い全身症状を伴います。
初期の変形性膝関節症では、軽度の関節軟骨の磨耗が生じますが自覚的な症状はほとんどありません。軟骨の磨耗がある程度すすむと(中期)、膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時の膝にかかる負担の増加および軟骨、半月板の変性による刺激により関節炎が生じます。進行期の変形性膝関節症では、軟骨の磨耗がさらに進み関節の土台の骨(軟骨下骨)が露出したり骨棘といった骨そのものの変形が生じたりします。この状態では、膝を動かしたり立って歩いたりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じ、曲げ伸ばしの制限も高度となり日常生活において大きな障害となります
関節を動かしたり、関節に力がかかったときに痛みを感じます。長い時間、同じ姿勢をとっていた後に動かすと、特に強く痛みますが、動いているうちにおさまってきます。ただし、重症の場合は、関節に力がかからなくても痛みを感じるようになります。動かすと痛むため、関節を自由に動かすことができません。又、関節水腫もみられます。X線撮影によって、関節軟骨の変性などがわかり、診断をつけることができます。
関節にある軟骨と滑膜でおこる炎症が関節炎です。関節の炎症が原因で、関節痛を引き起こします。関節炎症状の軽いものは関節痛が軽く、関節炎が重い場合は、関節を動かすと痛みがあります。また、触ると痛く感じられます。
関節炎や関節痛を引き起こす原因はたくさんあります。細菌の感染によって関節がダメージを受けたり、免疫の異常や変形によって炎症を起こしているなど様々です。また、足首から先には多くの関節があるのですが、その足の部分には全体重がかかるため負担も大きいものがあります。関節痛を感じやすいです。
関節炎の鍼灸治療症例:関節炎患者さん96名、肩―肩髃、肩貞,腕、指関節―陽溪、腕骨、合穀、液門,肘関節―曲池、天井,股関節―環跳、沖門、髀関,膝関節―膝眼、委中、足三里、陽陵泉,足首、足指関節―太沖、解溪、昆明、丘虚,頚椎関節―風池、風府、大椎,腰関節―腎兪、大腸兪、命門。電気針。
関節炎の鍼灸臨床経験:関節炎の原因治療が必要です。化膿性関節炎と結核性関節炎には早急に抗生物質治療が必要です。他の関節炎の治療は鍼灸の効果がかなり理想的です。特に関節痛に早期の鎮痛効果が得られます。
関節内の免疫細胞の増加で、炎症を抑え、消炎効果を発揮する。また、針刺激で、脳のエンドルフィンを増やし、脳のカテコールアミンは減らし、脳のモルヒネをも増やします。これら物質の作用によって、鎮痛効果が得られます。血液中のカルシウムやニンの量を増やし、軟骨の成長と発育を促進し、破壊した関節内の軟骨を修復する。
関節炎96名、完治したのは56名でした。