もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)
もやもや病とは内頚動脈が頭蓋内に入り最初に血管を分岐する直前で左右とも急速に狭窄ないしは閉塞する病気です。
脳は左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈の合計4本の血管によって栄養されており、これら4本の血管は脳底部でウイリス動脈輪を形成しています。このウイリス動脈輪は動脈が一本詰まっても他の血管から血液が流れこむための安全装置として働いています。ウイリス動脈輪が機能せず脳血流が不足しますとウイリス動脈輪近傍の本来は細いはずの毛細血管が多数拡張して側副血行路を形成し、脳血流を維持しようとします。もやもや病の場合、脳血管の毛細血管が多数拡張していますので、脳血管を造影した際に脳血管がもやもやしたように見えます。もやもや病と名づけられました。
もやもや病として世界で最初に発見したのは岡山大学医学部脳神経外科初代教授であった西本詮です。厚生省は以前、ウィリス動脈輪閉塞症を正式名称としていましたが、2001年が正式名称をもやもや病に変更しました。
アジア系民族は欧米に比較するともやもや病約10倍多く、日本は最多、ついで韓国に多いと報告されています。2003年の調査では本邦のもやもや病患者数が7700名と推定され、10年間で2倍近く増加しています。もやもや病の男女比は1:1.8と女性優位で、好発年齢は5歳を中心とする小児型の高い山と30〜40歳を中心とする成人の低い山の二峰性を示すとされています。最近は成人もやもや病が増加し、また無症状で見つかるもやもや病が増えています。
もやもや病の発見から数十年が経っているにも関わらず、未だもやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)原因は断定されていないです。
ウィリス動脈輪部の閉塞が起き、虚血を補うために側副血行路として異常血管網が形成されるという考えが一般的です。もやもや病約10%の患者さんに家族例が認められます。遺伝形式は浸透率の低い常染色体優勢遺伝が考えられています。第3,6,17番染色体との連鎖が報告され、特に17番染色体異常が疑われています。家族性もやもや病では片側もやもや病が家系内に散見されることも分かってきました。
もやもや病の内頸動脈終末部、前・中大脳動脈近位部の狭窄または閉塞があり、狭窄または閉塞部分より末梢側に異常血管網が異常に発達します。
もやもや病は脳の必要血流量が保たれなくなったときに症状を出す脳虚血型もやもや病と、脳出血型もやもや病に二分され、少数の痙攣発作が主症状のてんかん型もやもや病、手足の不規則な動きを主症状とする不随意運動型もやもや病があります。脳虚血型もやもや病は吹奏楽器を吹く、熱い物を吹きさましながら食べる、啼泣などの過呼吸運動によって手足の脱力、言語障害、意識障害などを呈し、数分で治まる一過性脳虚血発作の場合と、症状が残る脳梗塞とがあります。また出血は小児では稀で、成人になると半数近くに達します。出血の部位、程度により症状は様々で、重篤で頭痛、麻痺、重篤な場合は命に関わります。
もやもや病発症する小児もやもや病(年齢に5〜10歳)と成人もやもや病(30歳代)という2つのピークがあることが特徴で、小児例と成人例では病状が非常に異なります。もやもや病は、脳虚血や脳出血で発症しますが、10歳までの子供は脳虚血で発症することが多く、30−40歳代の大人は、脳出血で発症する場合が多いです。しかし、子供もやもや病での脳出血、大人もやもや病での脳虚血もあります。もやもや病の症状には、片半身の麻痺や知覚異常、けいれん、不随運動、歩行障害、上肢・手の麻痺、構音障害、失語症、話しにくい、話が分かりづらい、視野異常などがあります。もやもや病以外でも同様な症状が出ることがあります。逆に、もやもや病の典型的な症状でないため診断が遅れる場合には、学力の低下、めまい、行動異常、視覚異常、両足の脱力、全身の虚脱、失神発作、頭痛、嘔吐、嘔気などがあります。
厚生労働省による最新の診断基準:
脳血管撮影あるいはMRIにより、1.頭蓋内内頸動脈終末部から前大脳動脈と中前大脳動脈の近位部に狭窄または閉塞を認めること、2.もやもやとした異常血管網が動脈相においてみられること、3.これらが左右両側性にみられることの3条件を満たすことが必要です。
もやもや病の診断は、臨床所見と画像診断で行われます。「ラーメンを食べるとき、時々、手の力が抜ける」、「大泣きしたら手足がしびれる」といった典型的な症状の一過性脳虚血発作であれば、診断は難しくありません。てんかんや不随運動で発症した場合には、てんかんと診断されて、抗けいれん薬を投与され、その後、脳虚血の症状が出て、もやもや病の診断まで時間がかかる場合もあります。
当針灸院(鍼灸院)のもやもや病の治療目的は、もやもや病患者にできるかぎりの回復の機会を提供することともやもや病の完全な回復までの時間を短縮することです。
もやもや病に対して、当針灸院(鍼灸院)は25年間、もやもや病の治療に力を入れて、試行錯誤の末、独自の電気針治療法を開発しました。特殊な鍼と電気の併用でより良い成果を上げています。1990年4月から2008年10月の間、10年間に来院されたもやもや病患者53名を統計したところ、症状が無くなるのは21名、改善したのは11名でした。知的障害、運動障害の回復も見られました。
当針灸院(鍼灸院)の治療はもやもや病の頑固さに応じて、多岐に渡って行います。当針灸院(鍼灸院)は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気針治療法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。そしてもやもや病の回復で、もやもや病患者さんの生活の質を向上させるのに役に立っています。
最も興味のある点は針灸治療がもやもや病の再発予防にも効果があることです。治ったもやもや病の患者さんの多くがその後再発しませんでした。
もやもや病の虚血発症の場合、一過性脳虚血発作は起こっても、脳梗塞になる症例は多くありません。しかし、小児例では知的障害や運動障害などが認められることもあります。もやもや病の出血症例では、再出血することが多く、特に中年以降に再出血すると予後は不良です。もやもや病で死亡する症例の多くは、脳出血によるものです.
もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)の鍼灸治療症例 :鍼灸治療はもやもや病慢性期の治療、もやもや病の脳出血、虚血発作、脳血栓の再発を防止、後遺症回復の目的で行います。もやもや病患者53名,取穴:百会、前頂、懸顱、後頂に頭皮針。後遺症の場合、取穴:大椎、肩髃(ケング)、曲池、手三里、合穀、魚際、太淵、足三里、伏兎、風市、環跳、陽陵泉、絶骨。電気針。
もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)鍼灸治療臨床経験 :当針灸院(鍼灸院)では、多くのもやもや病患者の症状を回復させてきました。今も多くのもやもや病患者が通っていらっしゃいます。もやもや病患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かな針灸治療を行っています。針灸治療の結果、もやもや病患者の生活の質と予後はかなり良好です。大多数のもやもや病患者は正常の生活に戻ることが可能になりました。
鍼灸治療はもやもや病慢性期の治療、もやもや病の脳出血、虚血発作、脳血栓の再発を防止、後遺症回復の目的で行います。当院では特にもやもや病の脳出血、虚血発作、脳血栓の再発を防止、後遺症回復に研究を重ねて、かなり効果を上げています。もやもや病の脳出血、虚血発作、脳血栓の再発を防止するには、鍼灸治療は一つ良い選択肢と謂えます。
ウィリス動脈輪部の狭窄部を拡張し、閉塞による末梢側の異常血管網の再生を抑制すると考えられます。
もやもや病患者53名,症状が無くなるのは21名、改善したのは11名でした。知的障害、運動障害の回復も見られます。
武藤さん、男性、32歳、長野県在住。2年前から、ラーメンを食べるとき、時々、手の力が抜けることで、病院で検査したところ、もやもや病と診断され、内服薬を飲み続きましたが、1年6ヶ月前に、さらに脳出血を起こし、右半身不随になりました。当院の鍼灸治療に専念するために、会社を休職しました。鍼灸治療の13回目から、右側の手足の麻痺が少しずつ取れ、39回目から右半身不随が完全に無くなりました。MRIでは、もやもや血管が大分減り、ウィリス動脈輪部の狭窄部も大分広がり、ラーメンを食べるとき、手の力が抜ける感じも無くなりました。暫く鍼灸治療を続き、3ヵ月後鍼灸治療を終了しました。その後、会社に復帰しました。「このままでは一生、いつ再発するか、片麻痺などの後遺症が残るではないかとすごく心配していましたが、鍼灸のお蔭で脳出血の後遺症がすっかり治って、もやもや病も再発なく、元気に仕事できるのは何よりも嬉しいです」と武藤さんがおっしゃっていました。
頭部外傷後遺症 多発性硬化症 過敏性腸症候群 パーキンソン病 脊髄小脳変性症 多系統萎縮症 脳梗塞 自律神経失調症 心身症 統合失調症(精神分裂病) 認知症(痴呆) バーンアウト症候群(燃えつき症候群)